Decca Decolaがお嫁入り

やっとこさ入手したDecca Decolaの整備記録

デコラで聴くレコード

2014-01-29 00:22:47 | デッカ デコラ
いろいろなジャンルのレコードを聴いてみます。

愛聴盤です。

久しぶりにBeatlesを聴きまくりです。EMIのスピーカーです。。

昨年暮れに逝去された大瀧氏。long vacationとともによく聴きました。

女性ボーカルが気持ちよく聴ければ大抵は大丈夫でしょう??

印象としてレコードの盤質がかなりシビアに出る感じです。これは何か設定に問題があるのかもしれません。

コラーロのターンテーブル

2014-01-22 21:56:07 | デッカ デコラ

コラーロのリムドライブのターンテーブルです。同社の製品は他にもあるようですが見た事はありません。このターンテーブルの特徴は4スピード、ベースが究極のコンパクト、アイドラーが極薄、プラッターの軸が比較的細いなど。
モーター軸の先端が16回転/minなのでとても細いのも手伝って一見華奢な駆動系のようですが重量級のプラッターとしっかりしたモーターです。その割にベースは鉄板打ち抜きで軽量系。


駆動ユニットは3本のスプリングでつり下げられています。

3重のモーターカバーを外したところです。デッカのカートリッジの説明書には鉄製のプラッターは使えないと書いてあり非磁性体になってしまうのでモーターからのノイズを減らすための工夫かと思います。

モーターの軸受けのハウジングにcollaro England AC onlyなどと書かれています。はずしてみるとなかなか凝った造りです。軸受けはボールベアリングですがハウジングが変わっています。軸の中心は一定なのですが角度が変わってもオッケーな構造なのです。これは何のためか?水平方向に荷重が掛かっても回転に支障が出ないためのものか?不明です。


こちらはプラッターの軸受けです。ボールベアリングが入ってますが底のネジでプラッターの上下を調節できます。ボールベアリングは軸受けと同寸のようでキツキツです。

清掃してオイル、グリスアップしてまた組立てました。

プラッターのオイルはまだ決定していません。重いプラッターで細い軸ですのでフリクションは小さくいつまでも回転しているという雰囲気です。少しオイルの粘度を上げた方がいいのかもしれません。
なおプラッターを挿入するときにアイドラーを咬まないように注意が必要です。

Deccaのアーム

2014-01-19 18:41:32 | デッカ デコラ

 初期のDeccaカートリッジに不可欠なアームです。SME用のアダプターも存在しますが識者は「絶対にこれでなくては、、」と。




 MKⅢになると針圧がそれまでの3.5gから一気に2.0gになりましたのでこのような重りができたのか、それともLPとSPの切り替え用か。

 プロフェッショナルアームはメインウェイト以外でもサブウエィトで調節できました。前期型と後期型があり若干形状が異なります。

DeccaMK1からMKⅣまでならこれらのアームでOKですがそれより新しいカートリッジには「インターナショナルアーム」というものがあります。でもなかなか使いこなすのが難しいとのこと。

STEREOPHONIC DECCA ffss pick-up の化粧箱です。なかなか豪華なつくりで人形が入ってるみたいです。美しいアームという自負があったのでしょう。

蓋を開けるとタグ、説明書、テンプレートなどアームとアームレスト以外にもいろいろ入っています。

説明書






Deccaのカートリッジ

2014-01-13 22:16:47 | デッカ デコラ


     (1964年10月号「Hi-Fi NEWS」に掲載されたDeccaの広告)
 DeccaのカートリッジはステレオLP以降が有名(というかそれしかないと言って良い)です。英国Deccaはレコード会社でありSP時代の1930年代からMC型のカッティングヘッドを開発、改良し15KHzまで録音可能とし、ffrr(Full Frequency Range Recording)と名付けられました。第2次世界大戦後に初の録音が行なわれ、1950年にはマイクログルーブ(モノラルLP)に対応しましたが、当時の自社開発のプレイバック用のカートリッジは現在でも不明とのこと。コンシューマー用のカートリッジはモノラルデコラなどにもちいられた「Decola」というものがあってよくオークションでもみられますがバランスド・アーマチュア型でffrrのLPには役不足だったようです。

これは1958年10月4日にArthur Haddyが英国特許を申請した時の図面です。特徴的な構造ですがコイルはラテラルのみですのでモノラル用です。すでにステレオLPが登場している1958年という年代を考えるとDeccaはLPレコード用のカートリッジの開発が遅れたのかもしれません。(これは全くの私見です)Deccaのステレオレコードの開発は数々の変遷後に(V/L)方式に落ち着いていたのですが米国のウエストレックスが(45/45)を発表し世界標準となってしまい、Deccaも比較、協議で方式変更を余儀無くされました。しかし幸運なことに簡単なコイルの接続変更で対処できました。

Decca DecolaにはffssカートリッジのMKⅠステレオ・モノ・78回転SP用が付属していたようです。なおMKⅠカートリッジにはステレオLP(D)、モノLP(X)、SP(Y)、モノLP楕円(EX)がありました。
MKⅡカートリッジ(M)はLコイルの巻数を少し減らしさらにLコイルに0,0022μFと5.1KΩ程度のコンデンサと抵抗を並列接続して出力バランスと音色の補正が行なわれていてステレオのみ。このモデルがDeccaのスタンダードとなっています。
MKⅢカートリッジ(ED)は1964年10月に登場しアーマチュア、振動系の軽減されハイコンプライアンス化されたもので楕円針で針圧は一気に2g。
MKⅢまでの針圧はMK1SPが5g MKⅢとMKⅠモノ(楕円針)が2g その他が3.5gとなります。
このカタログ(1964年10月)の時点で「MK1はまだ作っている」「MK1はMKⅡに改造できる」などと書かれていて興味深いです。

 (以上手持ちの資料から)

MKⅢ MKⅠ(ステレオ) MKⅡ MK1(78)

MK1(78)です。



このマニュアルはMKⅢのものですがMKⅣまでは4端子でlatelal(モノ)出力もあります。(Ⅳからは持ってませんが、、)
MK1のVコイルは1300ΩX2 Lコイルは1460Ω
MKⅡのVコイルは1350ΩX2 Lコイルは1220Ω(実測値、出典:海老沢 徹氏、管球王国Vol.26)であまり変わりません。MK1モノはステレオ用と比べて針先の曲率半径の違い(1.0milと0,6mil)の違いだけなのか(Vコイルはあるのか?)接続は左右に振り分けているのか、、)どうなっているのでしょう??
それにしても「鉄製のターンテーブルでは使えません」ってしっかり書いてるんですね。


デコラのチューナー

2014-01-13 10:57:54 | デッカ デコラ
デコラのチューナーは真空管モノラルと半導体ステレオの2種類あります。どちらを選ぶかはオーダーできたのかもしれません。当然半導体式が後発と思いますが、うちのは後期型にもかかわらず真空管式です。五味康祐氏によれば1959年4月号の英グラモフォン誌に新発売の広告を出した当時のカタログに「将来FM放送がステレオになった時、ステレオで受信することが可能である」と書かれてあったとあります。またプリとチューナーのフロントパネルもゴールドとブラックの2種類あります。
これはステレオタイプです。

真空管タイプのFMチューナーはとても簡素なものです。ところでブラックタイプのステレオチューナーは見た事がありません。


苦労して周波数変更しても実用には難しいかもしれません。
今はネットラジオなどを繋いでipadでらじるらじるを聴いています。