Decca Decolaがお嫁入り

やっとこさ入手したDecca Decolaの整備記録

SONY M-9 について

2024-07-23 01:43:17 | オーディオ

 SONY M-9は1980年に販売店に向けた発売にあたっての製品紹介の文書によると若者、子供にターゲットを絞って発売する、とある。ボディカラーは5色、価格は13,000円。

オークションを覗いてたらカラフルな機種が目にとまって思わず落札した。

  

  

 ジャンクという説明だったが開けてみると乾電池からの液漏れによる壊滅的な状況で電池の端子のみならず基板やモーターのフレームまで侵食されている。液漏れでこれほどの惨状は初めてでジャンクという説明に偽りはなかった。

 乾電池の電解質の成分を調べるとアルカリ乾電池は水酸化カリウム、マンガン乾電池は塩化亜鉛でアルカリ乾電池の方が被害が大きいらしい。ハンダ付けの部分も侵食されていてリード線がバラバラと外れている。さてどうするかな。外観はまあまあなのでもう一台入手して中身をごっそりと入れ替えるのが一番手っ取り早い。もしくはこのまま廃棄するか。

 webでサービスマニュアルが閲覧できるので一応整備してみましょう。電界液漏れの掃除にアルコールを使ってはいけないという記事があるがどうなのだろう?

 

  

 

とりあえず電池の接触する金具を含んだ電源基板をIPAにつけて歯ブラシでゴシゴシ洗ってみた。歯ブラシではなかなか落ちないところはカッターの刃をスクレーパーがわりにしてこそげ落とした。極細のワイヤーはAWG#34だろうか。ワイヤーストリッパーが無かったので新たにHOZAN製(青い方)を入手した(隣は数十年使っているVessel製)。細かなパーツを扱うときにピンセットが磁化していると作業しにくい。便利なこともあるのだが磁化していないのもが欲しくなる。ヘッドのイレーサーを近づけて消磁を試みるが難しい。チタン製のピンセットを検討しましょうか。

 これで修復を試みるがまずハンダ付けができない(難しい)。ワイヤーの深いところまで侵食が進んでいるのかフラックスを塗ってもハンダが乗りにくい。

 

なんとかハンダ付けできても信頼性は薄い。半固定抵抗や音量調節ボリュームも死んでいてやはり電池の液漏れは深刻なダメージのようだ。ドライブベルトは普通の太さで対応できそう。

スピーカーのコーンは樹脂製(PPPか)。

 残念ながら一旦修復は断念した。とても鮮やかで華やかなケースなのでこれを活かすには適当なジャンクを探して中身をそっくり移植するのが最良かと思います。この製品は当時13,000円で他製品と比べて廉価な設定で現在でも多くが流通している、価格も500円から1,500円といったところ。将来適当なジャンクが入手できれば再び取り組んでみようと思います。

 

お読みいただきありがとうございました。

後日談1

 オークションでSONY M-9の元箱、説明書付きが出ていたのでとりあえず入札してしばらく見ていたがほかに誰からも反応がなくそのまま落札した。翌日送られてきたのを見るとめずらしく動作する。ジャンクを入手して中身を全て交換するするつもりだったが予定が狂ってしまった。

どうするか考え中です。

後日談2

 夏も終わりに近づいて台風10号が上陸してきた。大きな被害がでないことを祈るのみ。M-9は考えていても仕方ないので初志完徹。

 

 ケース入れ替えの前に電解液が残ってるとマズイのでドンガラにして丸洗いした。少し緩かったゴムベルトも交換しています。

 完了しました。

 

 メカニズム、メイン基板、スピーカーなどネジ固定されていなくて入れ替えはあっという間に終わった。せめて「手が入った」という痕跡を消す努力をした。SONY M-1PDにも採用されたメカニズムは簡素ながら信頼性が高いのだろうと思う。夏休みの残った宿題を一つ済ませたようなささやかな充実感を感じた。

 

 

雑記

 いつもお世話になっているコーヒー豆店から水出しコーヒーの器具を購入した。実は水出しのアイスコーヒーメーカーは持っているがほとんど使わない。夏でもアイスコーヒーを飲むことは少ないのだが落下式の水出しコーヒーは抽出後に温めてホットで飲むことも多いと思う。昭和の喫茶店では目を引く木製の枠に囲まれた豪華な器具が置いてあっていかにも高級感を漂わせていた。ショーケースのダッチコーヒーの器具には憧れるがさすがに一般家庭ではオブジェになってしまいそうで入手は断念した。喫茶店のダッチコーヒーは高かったと思うが(飲んだ記憶がない)時間はかかるが手間はほとんどかからないし豆の量もほとんど一緒、いい豆を使っていたのだろうか?

  

 IWAKI製でGood Design受賞 価格は3,000円台で破損の場合のパーツ売りもある。フィルターは洗って使うがいずれ消耗するだろうから助かる。ポットだけガラス製。「粉をセットし水40ccを3回に分けて直接注いでかき混ぜる」という工程が必要でこれをしないと水が溢れ出てしまうのだそう。4杯で粉40g、水450cc、抽出時間は2時間。私はドリップの場合はいつも料理計りにのせて量を測っていますがこれを使うようになって味が安定しました。

 早速飲んでみると思った通り雑味が少なくすっきりしている。時間が経つと結構味が変わって甘味が増すらしい。ドリップとは異なる味なのでしばらく両方を飲み比べてみようと思います。