2月21日は奈良で最もお気に入りの「新薬師寺」に来ました。
新薬師寺は天平19年に病弱だった聖武天皇の病気平癒を祈願して光明皇后により創建された寺院です。
創建当時は東西に五重塔を備える大寺院だったようで、現在の奈良教育大学のキャンパスを含む大伽藍を誇っていました。
やがて落雷や火災、戦火で堂宇が失われ、由一残ったのが当時の修行をするお堂です。
現在境内に残る東門や南門、地蔵堂、鐘楼は鎌倉時代に再建され、今の姿になっています。
本堂は境内で唯一奈良時代の建物で国宝です。
内部は荘厳さを感じる静寂の世界が広がっています。
壇上の中心には薬師如来坐像(平安時代初期・国宝)が、周りにはお薬師さんをお護りする十二神将立像が睨みをきかせています。
十二神将は夜叉とも言われインド神話では森林に住む精霊の大将でそれぞれは7千人の兵士の大将でもあります。
お薬師さんは鉄壁の護衛に護られているわけです。
ご本尊の薬師如来坐像(国宝)は奈良時代から平安時代初期に造立された木像ですが、十二神将(国宝・一躰は後世の補作)は奈良時代造立の塑像と言う、この時代特有の製法で造られています。
どの尊像も非常にリアルで力強く表現されています。
ところどころに当時の彩色が残り、造立当時は随分とカラフルだった事が想像できます。
ご本尊の右側には伐折羅神将がお薬師さんを護っています。
切手の表紙を飾った事もあります。
像に残る彩色をもとに当時の顔料を割り出し、造立時の彩色をコンピュータ上で再現する試みるが行われました。
その彩色は色とりどりで、とても1300年余前のものとは想像もつかない色彩の鮮やかさです。
本坊の方では、新薬師寺の歴史や塑像の製作風景のビデオが放映されています。
また、新薬師寺旧境内から出土した瓦や灯明皿などが展示されています。
次に奈良国立博物館へと向かいます。
若いお坊さんに書いてもらった御朱印がイマイチでしたけどね。