京都つれづれなるままに

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大寧軒 秋季京都非公開文化財特別公開⑨

2018年11月14日 06時38分32秒 | 日記
大寧軒は元は南禅寺の塔頭 大寧院でしたが明治政府の上地令により付近の塔頭を含めその多くが民間の所有となりました。

南禅寺には塔頭金地院があり、徳川家康の懐刀であった以心崇伝が住持を務め、徳川の南禅寺出張所的な存在で、境内には東照宮もあります。
そんな確執もあり南禅寺は明治政府から約20万坪の境内の半分を召し上げられました。



しかし、一旦、民有地であった塔頭大寧院の跡地を南禅寺が買い戻し、その所有とした唯一の土地です。
管理は江戸期嘉永元年から続く植彌加藤造園さんがされています。



庭園は、この辺りの多くの庭園を作庭した植治ではなく、茶道藪内家の第11代家元、透月斎竹窓(とうげつさい ちくそう)作庭の池泉回遊式庭園です。
池の水は琵琶湖疎水から一次取水して庭園を巡り、隣の金地院へ二次利用され、その後、對龍山荘へと三次利用されて、つぎは地下の鉄管を通じて向かいの順正へと流れ、疏水利用のひとつのネットワークを形成しています。

庭園の池の中には三柱鳥居があります。旧九条邸向かいにある厳島神社の唐破風鳥居、北野天満宮境内にある大伴社の鳥居と京都三珍鳥居と言われています。太秦にある木嶋神社の鳥居と同形態で庭に広がりを感じさせます。





こちらには珍しい石の景物が多くあり、殿舎の近くには亀の形をした一文字手水鉢、但馬の玄武洞から産出した玄武岩の柱状列石は今では天然記念物に指定されている為、採取する事が出来ない貴重な石です。
また、高価な鞍馬石も多く用いられており贅を尽くした景物となっています。
しかし、安価な守山石も多用されており、池の護岸に使われています。これは、琵琶湖疎水を利用して運ばれた石で、ここでも植治の先見性を感じます。


14時から矢ヶ崎先生の文化財講座 歴史篇を申し込んでいるので無鄰菴へと向かいます。

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