徳融寺は"ならまち"エリアにある融通念仏宗の寺院です。
かつては元興寺の一部として真言宗に所属していました。
先程述べたように「元興寺の子院」が創建の由来です。
天正18年(1590)に現在地に移転、本堂始め諸堂はそれ以降の建物です。
本堂のご本尊さまは鎌倉時代作の阿弥陀如来立像で、北条政子の念持仏と伝わります。
観音堂には平安時代作と伝わる「子安観音」がお詣りされています。
生まてすぐの赤ん坊を指先で慎重に持ち上げるようなお姿を表現した珍しい観音さまです。
また、観音堂の厨子の中には平安時代作と伝わる薬師如来坐像がお詣りされています。
徳融寺毘沙門堂は奈良市指定文化財・建造物で中には毘沙門天がお詣りされています。
山号「豊成山」が示すように中将姫の父親の藤原豊成の邸宅跡と伝わります。境内には豊成公と中将姫を供養する石塔があります。
中将姫は「当麻曼荼羅」を蓮糸で一夜にして織り上げた事で有名な方です。
周辺には中将姫ゆかりの「高林寺」や「誕生寺」があります。