京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

2019 京の庭講座〈枯山水の庭②〉妙心寺 退蔵院

2019年02月15日 06時50分01秒 | 日記
東海庵に続いて退蔵院を訪ねます。
こちらには、室町時代の枯山水庭園と、昭和の名作庭家 中根金作さん作庭の池泉廻遊式庭園 余香園とふたつの庭園があります。





まずは方丈に入れて頂き、職員の方から説明をして頂きます。方丈は応仁の乱の後、1597年に再建され、江戸時代には、かの剣豪 宮本武蔵も滞在し、修行に励んだと伝わります。



史跡名勝庭園に指定されている"元信の庭"は室町時代の狩野派の中心人物 狩野元信の作庭と伝わります。中国の山水をモデルした石を立て山や滝を表現するのではなく日本独自の大和絵を写し取ったような落ち着いた感じの庭になっています。
植栽は、常緑樹を主とし、一年中変わらない「不変の美」を求めたものと考えられています。







障子の周りを額縁に見立てた"額縁庭園"も面白い見方です。

退蔵院では、なんと言っても国宝"瓢鮎図"が名高いです。中学、高校の歴史の教科書にも出てきます。







画題は"小さな瓢箪で大きななまずをいかに捉えるか"と言う禅問答で、当時の京都五山の高僧31人の賛が上に書かれています。
当初は絵と賛が分かれた1曲2曹の屏風に仕立てられていたようです。
オリジナルは京都国立博物館に寄託されており、退蔵院にあるのは複製品です。
平成29年の京博での特別展「国宝」展に出品されていました。

余香園は、昭和40年に完成した850坪に及ぶ池泉廻遊式庭園です。春は桜、藤、夏は蓮子、睡蓮、秋は金木犀、秋の紅葉と一年中楽しめる庭園です。池は"瓢鮎図"にちなみ瓢箪のかたちになっています。









また、今回は特別に書院も見学させて頂きました。坐禅用の座布団が多く置かれおり修学旅行生をはじめ団体用の坐禅会場として使われています。西側の床の間の横の一見、壁のように見える戸を開けると水屋があり、その奥には2畳の茶室が隠し部屋のようにあります。
これは、妙心寺では一時期、茶道は修行の妨げになるとして禁じられた時代の名残です。