木のつぶやき

主に手話やろう重複の仲間たちのこと、それと新聞記事や本から感じたことを書き込んでいきます。皆様よろしくお願いします。

日聴紙2006年1月号より

2006年01月09日 22時44分30秒 | Weblog
以前から思っていることでなかなか継続できないのが、日聴紙などの記事の紹介です。
今年こそと思ってまず日聴紙を取り上げます。

新年号では2面から4面にかけて「新春座談会」が載っています。今年は「通訳制度の新たな展開をめざして」というテーマで安藤理事長、市川恵美子全通研運営委員長、小椋日本手話通訳士協会会長のお三方がお話しされています。司会は大杉さん。

最初に安藤理事長が、昨年の国会の参考人質疑で、応益負担について「障害者独自のレベルに合わせた3%」という数字を出して批判を浴びたことに対して釈明されています。そのときの読み取り通訳が市川さんだったとのことで、日比谷の集会で安藤さんが「3%」発言をして「読み取り間違いじゃないか」と思ったと書かれていて面白いです。「応益負担はもう避けられない」からといって「3%」という条件闘争的な発言をして運動に水を差した安藤理事長の責任は決して軽くないのではないかと私は思うのですが…。やはり障害者自立支援法に対する危機意識の差みたいなものを他の障害者団体は感じたのではないでしょうか。

小椋さんは、地元山梨県での学習運動の成果を話されています。
1年をかけて勉強会をしてきました。この1年間で何ができたかというと、共感です。学習の内容を共感、共有し、聞こえない人たちも通訳をやる人たちも、いま山梨の課題は何かと言うことを共有する1年間だったんで、手足が動く運動をする前に「今の課題は何か」などをお互いに共有する時間をすごく大事にして時間もかかりました。
 やはり同じテーマで繰り返し繰り返し勉強することがすごく大事で、法律の内容も難しいし、自分と関わってくると、どういうふうになるのだろうということが1回や2回ではちょっと飲み込めない。小グループで地域を転々として同じテーマで繰り返し、繰り返し、全国レベルとか、関東とかブロックなどで、とにかくたくさんたくさんさんの学習会を同じテーマでやることは、すごい大事なことだったと思っています。

とのこと、素晴らしいです。見習いたいです。

市川さんは「中央レベルでは他の障害者団体と一緒に取り組むことができたけれども、地方レベルでそれができたか」という問題提起をされています。全くその通りだと思いますが、先の安藤理事長のような意識というか「手話通訳は地域生活支援事業に逃げ込めたから安心」みたいなスタンスではやはり他の障害者運動との連帯は難しい気がします。市川さん自身の発言にも「法案の行方に生活かかってる」意識はあまり感じられません。

これらの雰囲気に対して大杉さんが
「さて、理事長は、政府とのいろんな交渉で、『手話通訳派遣の利用者負担はなじまない』と話してきました。この取り組みの中で、障害者団体からは『全日ろう連が離れている』というような感じを受けているようですが…」
と鋭く突っ込んでいます。これに対して安藤理事長は、
身辺介護などの介護と、言語通訳ということで違いはあるけれども、基本的に、憲法の上での権利は同じ事ですから、『こちらは言語のことで』とか『身体障害者はどうだから』というのでは納得できないのではと思います。特に身辺介護の支援は24時間介護で見守らないといけない、命に関わる深刻な問題ですし、それが有料でこちらの通訳が無料というのでは説得は難しいと思います。
 ただ、身辺介護は昨年までは支援費制度の中で応能負担になっていたわけで、手話は支援費制度に入ってなくて別になっていた、そういうことの説得は当面は可能かなぁと思うのですが、将来的には、身辺介護と言語を含めてはっきりとした、公的な制度が必要だと思います。
」と答えられています。

これに市川さんも
なぜ別なのかというところで私たちが主張してきたのは、コミュニケーションは一方だけでなくて、お互いが必要だからというような言い方です。」と同調されています。

私は「お互いが必要とする」のはコミュニケーションだけなのだろうか?とずっと疑問を感じています。じゃ、肢体不自由の友達が医者に行くときに移送サービスを利用するのは、一方的なニーズなのか? 医者がいちいち障害者の元に迎えに行ったり往診したりするわけにはいかないから、医者にとっても移送サービスは必要不可欠なものだと言えるのではないかと思うのです。

また知的発達遅滞の仲間が日常生活を送るのに様々なサービスを必要とするのが「一方的なニーズ」だというのなら、いったいバリアフリーな生活を送る権利とはなんなのだろうか?という疑問に行き着いてしまう。

このあたりは市川さんも
ただ、制度として『コミュニケーションは人権』というならば、『介護も人権だ』というように考えて同じように見なければならない部分はあると思います。」と補足されています。

この市川さんの発言に続けて、小椋さんは
通訳士協会の学習会で、ある講師から「…(中略)…特別の事業では発展を求めることは難しい」と非常に厳しいことを言われました。「利用料があることがおかしいことを理論的に構築しなければいけない」ということでした。…(中略)…こっちに近づけていくのが私たちのレベルだとか思うことでいいんじゃないかと思います。
と発言されています。この指摘をされたのって筑波大学の奥野英子先生ですね。
確かに利用料がないのが理想的であることは私も同感です。しかし、「特別に」利用料のない現在の手話通訳労働を巡る状況が、本当に「こっちに近づけていく」レベルであるのか、そこのところがもっと厳しく問われなければならないのではないかと私は思います。

(つづく)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ケイワンストレッチ「ななな~なご~さんいちいち」

2006年01月09日 21時47分07秒 | Weblog
「7-7---5-3-1-1」(「ななな~なご~さんいちいち」)
頸肩腕ストレッチを何とかキッチリ覚えて、いつでもどこでも誰とでもできるようになりたいと思っています。

先日地元の通研の集まりでこの「ケイワンストレッチ」に覚えやすいように節をつけてみようとあれこれ相談をしました。
結局「節」をつけるには至らなかったのですが、取りあえず最後の深呼吸を除く24パターンのストレッチを部位別に6種類に分けると、
「手首7」「腕7」「首5」「肩3」「腰1」「足1」となるので、
これを「ななな~なご~さんいちいち」と声を出しながら、右手で数字の手話形を出しながら、それぞれの部位に触るという「振り付け」にしてみました。

つまり右手で「7」の手話形(指先を左に向けた手の甲側を相手に見せて、人差し指、中指及び親指を伸ばした形)で、まず手首に当て、次に「7」の手話形のまま上腕から肩に向かってなぞり、さらに手話形を「5」(拳を握って親指だけを横に伸ばす)に変えて首を指し、最後に手話形を「1」(人差し指だけを伸ばして握る)にして腰と足を指すという「振り付け」です。
それぞれのストレッチを文字で書き表すと以下のとおりです。
(ゆっくりと、深く呼吸をしながら行うのがコツです。)

■手首~前腕(7パターン)
1-1.指の開閉    ;肘を伸ばした両手を握ったり開いたりする(グーパー、グーパー)
1-2.手の甲の内側曲げ;肘を伸ばした左手甲を右手で持ち、手首から先を手のひら側へ曲げて甲及び腕の外側を伸ばす。(右手も行う)
1-3.手の甲の逆そらし;肘を伸ばした左手四指を右手で持ち、手首から先を甲側にそらせるように曲げて腕の下側を伸ばす。(右手も行う)
1-4.手首ねじり内・外;肘を伸ばした左手を右手で持ち、手首を内側と外側にねじる。(右手も行う)
1-5.手首のばし   ;肘を伸ばした両手のひらを合わせて、指先を下向きに下げて、手首を伸ばす。
1-6.前腕の内側ねじり ;肘を伸ばした両手の甲側を合わせて、両腕を内側にねじる(腕を下げ気味に)
1-7.前腕の外側ねじり ;肘を伸ばした両手の甲側を合わせて、両腕を外側にねじる
■上腕~肩(7パターン)
2-1.上方への伸び  ;手を結んだまま、手のひら側を上に向けてまっすぐ伸びをする。
2-2.前方への伸び  ;手を結んだまま、手のひら側を前方に向けてまっすぐ伸びをする。
2-3.前方への伸び・裏返し;2-2の状態から、手のひら側を上向きにひっくり返してから前方に伸ばす。
2-4.後方への伸び・上;手を後方に組み、肘を伸ばしたまま斜め上に伸ばす。
2-5.脇伸ばし    ;左手を挙げて頭の後方で肘を曲げ、右手で左肘をつかんで右へ引く。(右腕も行う)
2-6.体側伸ばし   ;両手を上に挙げ、右手で左手首をつかみ、引っ張りながら身体を右に倒す。(右腕も行う)
2-7.上腕外側伸ばし ;左腕を前に伸ばし、左肘のあたりに右腕を下から当て、右腕を曲げ左腕を引っかけてそのまま右に引く。(右腕も行う)
■首(5パターン)
3-1.首回し     ;首を回す
3-2.首筋・腕伸ばし ;腰の後ろで左手首を右手でつかみ下に引っ張りながら、首を右に倒す。(右腕も行う)
3-3.首筋伸ばし・前 ;頭の後ろで両手を組み、頭を前方下向きに押さえて、首の後ろ側を伸ばす。
3-4.首筋伸ばし・横 ;右手を頭に乗せて、左こめかみあたりを押さえて、頭を右側に倒す。(反対側も行う)
3-5.首筋伸ばし・前下;右手を頭に乗せて、左後頭部を押さえ、前方斜め右下に押さえる。(反対側も行う)
■肩3(3パターン)
4-1.肩の上下    ;肩を上げ下げする。
4-2.肩・腕回し   ;肘を伸ばした両腕を後ろから大きく前に回す。(反対回りも行う)
4-3.肩回し     ;肘を曲げて指先を肩につけ、肩を後方に回す。(反対回りも行う)
■腰1(1パターン)
5-1.腰回し     ;肩幅程度に両足を開いて立ち、腰に両手を当てて、腰を回す。(反対回りも行う)
■足1(1パターン)
6-1.アキレス腱伸ばし;足を前後に開いて立ち、後ろの足のかかとをつけたままゆっくり身体を前に倒してアキレス腱を伸ばす。(反対側の足も行う)
■深呼吸        ;両腕を前から上に挙げて、左右に下ろして深呼吸。

さあ、皆さんも「ななな~なご~さんいちいち」でケイワンストレッチを全国に広めましょう!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

学校教育法改正案(朝日新聞)

2006年01月09日 01時29分37秒 | Weblog
1月8日(日)朝日新聞に「学習障害児らに指導教室、盲・ろう・養護学校一本化」という記事が載った。

 文部科学省が今月召集の通常国会に提出する学校教育法改正案の骨格がわかった。存廃が論議になってきた小中学校の特殊学級は、存続を保護者らが望んでいることに配慮し、07年度をめどに「特別支援学級」と名称を変えて残す。盲・ろう・養護学校は複数の障害に対応する「特別支援学校」に改める。また法改正と併せて文科省は省令を改正し、学習障害(LD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)などの子供についても適切な指導が受けられる仕組みづくりをめざす。

これらに対する聴覚障害者関係の声については別の機会に書きたい。

朝日新聞の本文はこんな書きっぷり。
■ この法改正により、47年の同法制定以来60年近く使われてきた「特殊教育」の用語は法令から姿を消す。今後は障害のある子供の自立や社会参加への取り組みを支える「特別支援教育」に名実ともに転換する。

 一般に特殊学級には養護学校などよりも障害が軽い子供たちが在籍しているが、重い障害がある子供も中にはいる。そうした子供にとっては学ぶ場を固定して指導を受けた方がいいとして、特殊学級の存続を望む声があり、中央教育審議会などで存廃をめぐり論議になっていた。

 こうした経緯を踏まえて文科省は今回の法改正にあたり、固定式の学級を廃止することは見送り、「特別支援学級」に名称を改めて存続させることにした。

 また、LD、ADHDなどの子供は全児童生徒の約6%(約68万人)に上るとされるのに、現在は特殊学級や「通級指導教室」の指導対象にはなっていない。通級指導教室は通常の学級でふだんは授業を受け、特定の教科など必要に応じて別の教室で特別の指導を受ける仕組み。情緒障害や言語障害のある子供らが対象になっている。

 このため文科省はLD、ADHDなどの子供についても、適切な指導を受けることができる仕組みを整える必要があると判断。省令を改正して通級指導教室の対象を広げ、LD、ADHDなどの子供たちも今年4月から対象に含める。

 盲・ろう・養護学校は名称を「特別支援学校」に変えたうえ、複数の障害に対応する態勢を整える。例えば現在の養護学校に視覚障害児を受け入れるための学級を設置したりする見通しだ。

 文科省の調査研究協力者会議は03年3月、子供の障害の種類や程度が多様化しているとして、ふだんは通常の学級に在籍して必要な時間だけ別の場で教育を受ける「特別支援教室」の創設を提言していた。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする