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何気ない風景とひとり言

寺社&石仏巡り、小さな旅、散策...ふと目に留まった何気ない風景...切り取って大切な想い出に!

日前神宮・國懸神宮-(2) (和歌山)

2021年09月19日 | 寺社巡り-和歌山

【和歌山・和歌山市】伊勢の神宮に次いで朝廷からの崇敬も篤く、祭祀には天皇から幣帛(御供)を賜った。 両社とも平安時代延長五(927)に成立した「延喜式」の神名帳では名神大社に列せられ、古くから紀伊國一之宮として人々の崇敬をあつめた。
安土桃山時代天正十三年(1585)の豊臣秀吉の天正の兵乱によって社領が没収され、社殿が取り壊されて境内が荒廃した。 江戸時代に入り紀州藩初代藩主徳川頼宣が入国されるや社殿が再興されたが社領は縮小され、現在、最盛期の5分の1の広さになった。
明治四年(1871)の太政官缶告によって両神社とも官幣大社に列せられた。 大正八年(1919)に、国費による改修によって境内の社殿はすべて一新され、大正十五年(1926)に完成し、現在の左右対称の姿になった。 昭和二十一年(1946)、神社の国家管理と社格制度が廃止され、現在は神社本庁などの包括宗教法人に属さない単立神社となっている。

◆参道を進んで瑞垣に囲まれで鎮座する日前神宮に。 正面に構える鳥居は一見すると亀腹があり明神鳥居に見えるが、笠木と島木に反りが無く水平なので春日鳥居ではないかと思う。 鳥居のすぐ先に照り屋根で吹き放しの拝殿が建ち、拝殿を通して奥に神門の金色の飾り金具を施した連子入り桟唐戸が見える。
瑞垣の東側に設けられた通用口から社殿境内を眺めると、神門と連子入り透塀に囲まれて日前神宮の本殿が鎮座。 透塀の銅板葺屋根の上に顔を出している本殿の屋根には、外削ぎの千木と7本の堅魚木が乗っている。 入母屋造銅板葺屋根の大棟には、外削ぎの千木と7本の堅魚木が乗っている。
日前神宮から来た参道を戻り、中央参道の東側に鎮座する國懸神宮に向かう。 参道の北側に明神鳥居を構えた摂社の中言神社が鎮座。 名草姫命と名草彦命の二柱を祀る中言神社は、瑞垣に囲まれて2つの春日造銅板葺の社殿が建ち、いずれも大棟に外削ぎの千木と2本の堅魚木が乗っているが、千木と堅魚木に少し違和感を感じた。 例外はあるが、一般に、千木は女神は内削ぎで男神が外削ぎ、また、堅魚木は女神が偶数で男神は奇数なのだが、女神と男神を祀る中言神社の2つの社殿は同じ千木、同数の堅魚木なのだ。
中言神社前の参道を挟んで対面に末社の松尾神社と市戎神社とが鎮座、いずれも流造りの社殿で、松尾神社の大棟には中言神社と同じ外削ぎの千木と2本の堅魚木が乗る。 ほどなく國懸神宮に着くが、日前神宮に戻ったのかと錯覚するような社殿が厳かに鎮座している。

△正面の参道から眺めた瑞垣に囲まれて鎮座する日前神宮....正面の瑞垣左側に通用口がある

△日前神宮の正面参道の脇に立つ貞享元年(1684)造立の石燈籠/日前神宮....祭神・日前大神と相殿に思兼命、石凝姥命を祀る

△瑞垣で囲まれた日前神宮の社殿境内

△春日鳥居(と思う)と切妻造銅板葺で照り屋根の拝殿が重なっている

△鳥居は亀腹(饅頭)があって明神鳥居風だが、笠木・島木が水平なので春日鳥居と思う

△基壇の上に鎮座する正面三間側面二間の拝殿

△拝殿は一軒繁垂木で、柱上に舟肘木を置いて屋根を支えている....拝殿を通して飾り金具を配した神門の扉が見える

△照り屋根の拝殿は柱間に壁がない吹き放しの造り....屋根裏垂木が見える化粧屋根裏天井

△拝殿奥に建つ切妻造銅板葺で四脚門の神門....扉は連子を入れた桟唐戸

△東側の瑞垣にある通用口から眺めた鳥居と拝殿と神門

△連子入り透塀の間に建つ神門

△入母屋造銅板葺の日前神宮本殿...大棟に外削ぎの千木と7本の堅魚木が乗る

△日前神宮と國懸神宮を結ぶ國懸神宮境内の参道北側に鎮座する中言神社

△明神鳥居を構え、瑞垣に囲まれて鎮座する摂社の中言神社....祭神・名草姫命と名草彦命とを祀る

△切妻造銅板葺の神門、扉は連子入れた桟唐戸....4枚の紙垂を配した注連縄が下がる

△中言神社の2社殿はいずれも春日造銅板葺で大棟に外削ぎの千木と2本の堅魚木が乗る

△2社いずれも春日造だが脇障子や登高欄がない....千木・堅魚木・破風板に飾り金具が施されている

△中言神社の参道を挟んで対面に鎮座する末社の松尾神社(左)と市戎神社(右)

△松尾神社には祭神・大山咋神と中津島姫命を祀る/流造銅板葺の松尾神社社殿....大棟に外削ぎの千木と2本の堅魚木が乗る

△林立する赤い幟の奥に鎮座する市戎神社には祭神・蛭子神を祀る...社頭に立つ石燈籠は宝永二年(1705)の造立/流造銅板葺の市戎神社社殿

△瑞垣に囲まれて鎮座する國懸神宮の社殿境内

△境内に建ち並ぶ右から拝殿、神門と連子入り透塀その奥に本殿

△入母屋造銅板葺の國懸神宮本殿....大棟に外削ぎの千木と7本の堅魚木が乗る

△國懸神宮....祭神・國懸大神と相殿に玉祖命、明立天御影命、鈿女命を祀る

△鳥居は日前神宮と同じ春日鳥居と思う

△拝殿は一軒繁垂木で、柱上に舟肘木を置いて屋根を支えている....屋根裏垂木が見える化粧屋根裏天井

△國懸神宮の瑞垣の正面右側に通用口がある

△國懸神宮の正面参道....正徳四年(1714)造立の石燈籠越しに眺めた國懸神宮....國懸神宮に向かって参道左側に末社3社があったようだが消失

△國懸神宮に向かって参道右側に末社3社と遥拝所があったが消失?....左の基壇は焼失した末社跡/遥拝所跡

△正面参道の入口脇に立つ安永十年(1781)造立の石燈籠越しに眺めた國懸神宮
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