何気ない風景とひとり言

寺社&石仏巡り、小さな旅、散策...ふと目に留まった何気ない風景...切り取って大切な想い出に!

西園 (中国)

2018年06月26日 | 史跡探訪-中国編

【中国・江蘇省・蘇州市】留園の西側に位置する戒幢律寺とその奥に併設されている西花園とを総称して「西園」という。
戒幢律寺は元代の創建で、もとは帰元寺と言われたが、明代嘉靖年間(1522~1566年)に留園を造った徐時泰が所有して庭園となり、西園と名付けられた。 その後、元徐時泰の子「徐溶」が再び以前の帰元寺に戻したが、1635年に住持となった茂林律師により戒幢律寺に改称された。
清代末期(1860年)の戦火で焼失したが、同治~光緒年間(1862~1908年)に再建され現在に至る。

太鼓橋の福徳橋を渡り、大きな牌坊を通り、「戒幢律寺」の扁額が掲げられた山門殿をくぐって境内に入る。 正面が3つのアーチ形入口だけの天王殿、手前の参道左右に三重層にみえる鼓楼と鐘楼が建つ。 鎮座する弥勒尊像・韋駄天像・四天王像に参拝しながら天王殿を抜けると、木立の葉陰の奥に鎮座する大雄宝殿が見える。 西側に立つ羅漢堂には金色に輝く500体の羅漢像が安置されている。 伽藍は他に蔵経堂・三宝楼があるが確か立ち入り禁止だった。
羅漢堂の奥には湖心亭が浮かぶ放生池を中心に西花園が広がり、回廊が巡らされている。 湖心亭はとがった屋根と跳ね上がった大きな軒反りが実に特徴的な六角重層の造りだ。 九曲橋を進んで湖心亭に....亭内には庭園を造営した徐時泰らしき像が鎮座。
九曲橋傍の台座にスッポン顔の亀像が横たえているが、この池には400年以上生きている亀が住んでいる....と、案内板に書かれているらしいが失念した。

水路(運河)に架かる福徳橋越しに眺めた西園の遠景....左手には照壁と福徳橋と同じ形の智慧橋が架かっている

石柱に瓦葺屋根の木製明楼を三段に乗せた牌坊....梁に「敕賜西園戒幢律寺」とあり、「〇國戒幢」の扁額が掲げられている(〇は?)

牌坊の山門側から眺めた照壁と水路に架かる福徳橋(左)と智慧橋(右)

戒幢律寺の山門殿....入母屋造瓦葺で三門式の門....大きな「戒幢律寺」の額が掲げられている

門前に霊獣(獅子)の力強い狛犬が鎮座する山門殿
 
天王殿前の参道の左右に建つ重厚な鼓楼(左手)と鐘楼(右手)

入母屋造瓦葺で裳腰を設けた天王殿....3つのアーチ形の入り口がある
 
天王殿の弥勒尊像(撮影を失念)の後ろに鎮座する韋駄天像/弥勒尊像を守護するように天王殿の左右に鎮座する四天王像のうちの2体

天王殿から眺めた大雄宝殿....木立は銀杏かな?

大雄宝殿境内に西の放生池に連なる水路があり、中央に太鼓橋風の石橋が架かる

水路に架かる石橋から望む大雄宝殿....石橋の床に縁起の良い双魚の文様が彫られている

入母屋造瓦葺で裳腰を設けた大雄宝殿....身舎と裳腰の大きく反った軒が美しい....脇間に連子子を入れた花頭窓と丸窓

大雄宝殿前に置かれた宝塔形常香炉....正面三間は花狭間を入れた両折両開きの桟唐戸か?下部に格狭間が彫られている

大雄宝殿の内陣に鎮座する三世仏....中央は弥陀定印を結ぶ阿弥陀如来像か?

三世仏を見守るように周囲に鎮座する種々尊像
  
大雄宝殿に向かって左手に建つ羅漢堂....堂内に金色に輝く千手観音や500体の羅漢像を安置(撮影を失念)/大雄宝殿に向かって右手に建つ観音殿....奥に経蔵堂がある/「吉祥」と表記された通路

放生池がある西花園の入口

西花園入口から眺めた池に浮かぶ湖心亭

池に浮かぶ湖心亭を中心に回廊が巡らされている

六角重層の湖心亭への九曲橋
  
観光客が涼んでいる湖心亭....とがった屋根と跳ね上がった大きな軒反りが美しい/湖心亭に鎮座するのは庭園を造った徐時泰像か?/九曲橋傍で横たえる長寿の縁起を担いだ亀像....池に400年以上生きている亀が住んでいるとか?

放生池の辺に建つ建物
コメント
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