何気ない風景とひとり言

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室生寺の五重塔

2018年06月13日 | 最古・唯一などの遺構

【奈良・弥陀市】我が国で屋外に立つ最小の五重塔。
平安時代初期(800年頃)の建立とされる。 天武天皇九年(680)に修験道の開祖・役行者(役小角)が創建したとされる室生寺の灌頂堂(本堂)後方の杉の樹林の中に建つ五重塔で、国宝に指定されている。
五重塔は和様建築で、法隆寺五重塔(推古天皇十五年(607)建立)に次いで国内で2番目に古く、室生寺の最古の建造物で本尊を祀る本堂より古いとされる。
基壇上に建つ五重塔は総高は16.2mで、通例の五重塔の約三分の一の高さで建てられ、古代の塔としては逓減率が極端に小さい。 部材や銘板から鎌倉時代・江戸時代(明和)・明治時代に修築されたことが確認されているが、優美な姿は古の風格を感じさせる。 屋根は檜皮葺で、柱・軒廻・組物(斗栱)・高欄付縁など木部は全て鮮やかな丹塗り、また相輪の九輪の先には水煙の代わりに八角の天蓋を設けた宝瓶を配している。
平成十年(1998)の秋、台風7号の強風で倒れた杉が塔を直撃し、西北側の各重の屋根と軒が壊れたが、心柱を含めた根幹部は無事で、2000年7月に復旧された。
深い樹林に包まれてひっそりと建つ五重塔.....以前、JRのTVコマーシャルで観たまんまの優美な姿で、小ぶりながらも気品に溢れていて大いに魅了される。

本堂後方の樹林の中に建つ五重塔

平安時代初期(800年頃)の建立で、国内で2番目に古い

基壇上に建つ五重塔の総高は16.2mで、通例の五重塔の約三分の一の高さしかない、また古代の塔にしては逓減率が極端に少ない
 
檜皮葺の屋根で、二軒繁垂木、組物は三手目が尾垂木の三手先、蛇腹支輪

初重は板扉と脇間は白壁で窓がない
 
初重に縁がなく、二重以上に組高欄付き縁を設けている...相輪の九輪の先に水煙の代わりに八角の天蓋を設けた宝瓶を置いている

奥之院参道から眺めた五重塔、右奥は灌頂堂(本堂)の屋根
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