対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

螺旋と楕円

2006-11-12 | 弁証法

 矛盾ではなく、対話として「対立物の相互浸透」を弁証法に取り入れるとき、唯物弁証法の三法則(「量から質への転化、またはその逆」・「対立物の相互浸透」・「否定の否定」)の内的な関連は断ち切られる。また、自己運動の総合的な表象としての「螺旋」も否定される。

 全体のつながりに関する科学としての弁証法。主法則は、量と質との転化――両極的な対立物の相互浸透と頂点にまで押しやられた際の相互の間の転化――矛盾による発展或は否定の否定――発展の螺旋的な形式。(エンゲルス『自然弁証法』)

 対話の弁証法に量と質との転化は無関係である。また、対立物には相互浸透があるだけで、相互の間の転化はない。矛盾ではなく対話による進展。否定の否定ではなく否定と肯定。螺旋(らせん)ではなく楕円(だえん)。

 二つのつながりに関する技術としての弁証法。主法則は、対立物の相互浸透――対話による展開あるいは否定と肯定――展開の楕円的な形式。

 新しい弁証法(複合論)を表す幾何学的な図形は、「螺旋(らせん)」ではなく「楕円(だえん)」である。


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