対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

「対話」の導入

2016-10-28 | 弁証法
2つの商品の「価値と使用価値」の関係において、
1「商品」を「論理的なもの」に、
2「価値と使用価値」を「自己表出と指示表出」に
置き換える。そして、自己表出と指示表出をアルファベットで表わすと、2つの「論理的なもの」が対立しているモデルができる。このとき「働きかけ」の矢印は推論となる。
第3の要素が出現した局面は次のようになる。
c ← bi + a → di
   ↑   ↓    
bi ← c + di → a
言語表現において、自己表出と価値、また指示表出と意味は密接に関係していることが指摘されている(吉本隆明『言語にとって美とはなにか』)。ここから類推してみると、Aの自己表出にA'の指示表出が出現することは、Aが新しい意味をもちはじめていると解釈できるだろう。これに対して、A'の指示表出にAの自己表出が出現することは、A'が新しい価値をもちはじめていると解釈できる。
AとA'の対立関係から第3の要素が出現する局面は、AとA'がそれぞれ新しい意味と価値をもちはじめていることを表わしている。
ここで左右の第3要素の結合を考える。
c ← bi + a → di
+   ↑   ↓   +
bi ← c + di → a
「対話」を導入することによって、これまでとは異なった関係性と指示性の可能性がうまれていることを表現できるのである。

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