対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

対話のモデル

2016-10-25 | 弁証法
2つの商品の「価値と使用価値」の関係を対話のモデルの基礎におく。価値形態1の「リンネルと上着」の「価値と使用価値」の関係みておこう。
「リンネルの使用価値」 + 「リンネルの価値」
                 ↓
   「上着の価値」 + 「上着の使用価値」
矢印が価値を表現しようとする働きかけである。(矢印の起点が相対的価値形態、矢印の終点が等価形態である。)
リンネルはその価値を上着で表現する。このとき、上着はこの価値表現の材料の役をつとめている。
リンネルの価値が上着の使用価値で表現されることを、リンネルの価値に上着の使用価値が出現すると考える。すなわち、リンネルは自分に固有の価値と使用価値に加えて、第3の要素をもつようになると考える。「リンネルの価値」から右方向に矢印をひき、矢印の終点に「上着の使用価値」と表記する。
これに対して、上着の使用価値が価値表現の材料になっていることは、上着の使用価値にリンネルの価値が出現すると考える。すなわち、上着は自分に固有の価値と使用価値に加えて、第3の要素をもつようになると考える。「上着の使用価値」から右方向に矢印をひき、「リンネルの価値」と表記する。次のようである。(「Aはリンネル、A'は上着である。)
「Aの使用価値」 + 「Aの価値」 → 「A'の使用価値」
          ↓    
「A'の価値」 + 「A'の使用価値」 → 「Aの価値」
リンネルの働きかけによって、第3の要素が出現する。つまり、リンネルに「上着の使用価値」が出現し、また上着に「リンネルの価値」が出現する。
こんどは上着の働きかけが加わり、リンネルと上着が同時に働きかける場合を考える。「上着の価値」(左下)から「リンネルの使用価値」(左上)の矢印が加わる。
「リンネルの使用価値」 + 「リンネルの価値」
      ↑            ↓
   「上着の価値」 + 「上着の使用価値」
上着はその価値をリンネルで表現する。リンネルはこの価値表現の材料の役をつとめる。左側に第3の要素が出現する。上着の価値を表現する場合が左側に付け加わる。
「A'の価値」 ← 「Aの使用価値」 + 「Aの価値」 → 「A'の使用価値」
           ↑         ↓    
「Aの使用価値」 ← 「A'の価値」 + 「A'の使用価値」 → 「Aの価値」
ここで「商品」を「論理的なもの」に置き換え、また「価値と使用価値」をそれぞれ「自己表出と指示表出」に置き換えると、弁証法の場所的構造が出現する。





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