対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

あらけない

2017-04-18 | ノート
先日、娘と話していて「あらけない」が通じなかった。意外だった。「荒々しい。たいそう乱暴である。」という意味である。この地方(愛知)の方言かと思ったが、調べてみると、全国各地に分布しているようだ。古語「あらけなし」の口語体である。
「あらけない」の「ない」は、形容詞の「ない」(非存在)や助動詞の「ない」(否定)ではなく、接尾語の「ない」である。この「ない」は、性質や状態をあらわす語について、その意味を強める形容詞をつくるのだという。「荒け+ない」。「荒け」を強めて「荒々しい」。
同じような「ない」には、せわしない(忙し+ない)がある。「忙し」を強調して、たいへん忙しいのである。「忙しい」よりも、もっと忙しいのである。

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