福祉とかまちづくりとかの団体によくありがちなのですが、目的は崇高でみんなボランティアで頑張っている。ここでいくら稼げるとかいうカネなどの下賎な話を言うのは、堕落である。世の中に役に立つ仕事をしているのだから、たとえ金銭的には恵まれなくても生きがいがあり、手弁当ででもやっていくんだ。意気込みはすごいのですが、結局金が回らなくて、そのうちに志も現実の中でずたずたになって消沈していく。組織にマネジメントがないので持続可能性がない。
この物語に出てくる劇団にも似たような雰囲気がある。
世の中には数多の劇団があって、その中で商業的にというか興行収入で食べていけるところはほんの一握りです。それどころかほとんどの劇団の興行は赤字で劇団員が金を出し合って支えているのが現状です。みんな好きでやっていて興行のたびに無給なことはもちろん、チケットを買い取るなど持ち出しまでもあっても芝居をする。いい芝居を作るためなら、自分たちは手弁当でも裏方にはたとえ金がかかってもそれなりの人を雇い、大道具、小道具にも妥協はしない。
この小説の舞台はそんな小劇団「シアターフラッグ」です。
お定まりの金銭的に立ち行かなくなって、劇団「シアターフラッグ」の泣き虫主宰春川巧のSOSから兄貴の春川司「鉄血宰相」が登場。劇団を存続させるためには2年間で3百万円の借金を返すことを至上命題に、鉄血宰相はチケットの売り方から、芝居の設定、大道具小道具まですべてにメスを入れ、ぶった切り、何とか公演を黒字化していく。
守銭奴と言われようと金が正義だ!鉄血宰相の小気味良い割り切りは、劇団が経営的に成り立つようにするため容赦なし。いろいろ不満はあっても従わなければ劇団は立ち行かず如何ともしがたい。それでも反発しつつも徐々に鉄血宰相の考え方が劇団員に浸透してくる。いつの間にか問題にぶち当たると頼っていくようになってくる。
劇団員の中の複雑にすれ違う恋愛関係は有川作品でおなじみの展開?
この作品は有川が「シアトル劇団子」を取材して生まれています。有川はお金のことをきちんと考える人たちが好き。複雑怪奇な小劇団の世界を取材を含めて3ヶ月で描ききってしまった。
実はこの本ひげみのさんに「図書館戦争」のおまけとしてお借りしたものと言うか一緒に送ってくれたもの。でも読んでみて、設定がどうしても荒唐無稽の感がある「図書館戦争」と違って現実感がありました。最初に書いたように、自分たちはいいことをやっているので金のことをきちんと考えずに突っ走る人の多い団体を見ることが多いだけにすごっく共感出来ました。ヤマト運輸の小倉昌男さんが福祉財団を作ったとき福祉の世界では経営感覚がなくてもっともっと工夫して改革できる余地が大きいといっていたと思います。資本主義の世の中、きちんと金銭で評価できるような仕事をしなくては生き残れません。
ただ、この「シアター」、まだ1・2までしか出ていなくて3の完結篇が出ていません。早く3を読みたいのですが、その前にこれを書くのはなんだかな~とも思ったのですが、出来るだけ多くの皆さんに読んでいただき、その面白さに目覚めたら是非3を買ってください。
この物語に出てくる劇団にも似たような雰囲気がある。
世の中には数多の劇団があって、その中で商業的にというか興行収入で食べていけるところはほんの一握りです。それどころかほとんどの劇団の興行は赤字で劇団員が金を出し合って支えているのが現状です。みんな好きでやっていて興行のたびに無給なことはもちろん、チケットを買い取るなど持ち出しまでもあっても芝居をする。いい芝居を作るためなら、自分たちは手弁当でも裏方にはたとえ金がかかってもそれなりの人を雇い、大道具、小道具にも妥協はしない。
この小説の舞台はそんな小劇団「シアターフラッグ」です。
お定まりの金銭的に立ち行かなくなって、劇団「シアターフラッグ」の泣き虫主宰春川巧のSOSから兄貴の春川司「鉄血宰相」が登場。劇団を存続させるためには2年間で3百万円の借金を返すことを至上命題に、鉄血宰相はチケットの売り方から、芝居の設定、大道具小道具まですべてにメスを入れ、ぶった切り、何とか公演を黒字化していく。
守銭奴と言われようと金が正義だ!鉄血宰相の小気味良い割り切りは、劇団が経営的に成り立つようにするため容赦なし。いろいろ不満はあっても従わなければ劇団は立ち行かず如何ともしがたい。それでも反発しつつも徐々に鉄血宰相の考え方が劇団員に浸透してくる。いつの間にか問題にぶち当たると頼っていくようになってくる。
劇団員の中の複雑にすれ違う恋愛関係は有川作品でおなじみの展開?
この作品は有川が「シアトル劇団子」を取材して生まれています。有川はお金のことをきちんと考える人たちが好き。複雑怪奇な小劇団の世界を取材を含めて3ヶ月で描ききってしまった。
実はこの本ひげみのさんに「図書館戦争」のおまけとしてお借りしたものと言うか一緒に送ってくれたもの。でも読んでみて、設定がどうしても荒唐無稽の感がある「図書館戦争」と違って現実感がありました。最初に書いたように、自分たちはいいことをやっているので金のことをきちんと考えずに突っ走る人の多い団体を見ることが多いだけにすごっく共感出来ました。ヤマト運輸の小倉昌男さんが福祉財団を作ったとき福祉の世界では経営感覚がなくてもっともっと工夫して改革できる余地が大きいといっていたと思います。資本主義の世の中、きちんと金銭で評価できるような仕事をしなくては生き残れません。
ただ、この「シアター」、まだ1・2までしか出ていなくて3の完結篇が出ていません。早く3を読みたいのですが、その前にこれを書くのはなんだかな~とも思ったのですが、出来るだけ多くの皆さんに読んでいただき、その面白さに目覚めたら是非3を買ってください。