怪しい中年だったテニスクラブ

いつも半分酔っ払っていながらテニスをするという不健康なテニスクラブの活動日誌

鎌田實「あきらめない」

2009-12-05 08:37:07 | 
12月になって我が家のベランダのイチョウも黄葉しています。このイチョウは公園で拾った銀杏から育てたものですが、鉢植えなので背はあまり伸びないのながら毎年ちゃんと黄葉するのです。
ところで鎌田實さんの「あきらめない」これは心に沁みる本です。
あとがきに戸井十月の話が紹介してあるのですが
どこかの大陸を走っているとき、八十歳ぐらいの老ライダーと路上ですれ違った。美しく輝いていた。かっこよかった。
「まるで少年のようだ」と、彼が声をかけた。老ライダーは答えた。
「少年になるまで八十年もかかってしまった。」
う~ん、かっこいいですね。
「がんばらない生き方を見つけたら、希望を持って、あきらめない生き方を生きてもらいたい。」
俗世間を俗に生きたいる私には難しいのですがあきらめずに生きていきたいと思います。
この中で今井澄の告別式の場面がいいですね。
全共闘の安田講堂防衛隊長で、諏訪中央病院で地域医療に身を投じ、院長を務め、転じて国会議員になり、62歳の若さでがんに倒れた今井澄。
その告別式には市民会館が一杯になり、弔辞には坂口厚生大臣から東大全共闘議長の山本義隆まで来た。
山本義隆の弔辞では「そうだ」「異議なし」の声がかかり拍手がわいた。
突然ですが、ギリシャ映画で「旅芸人の記録」という長編(半端でなく4時間近いと記憶しています)があります。第二次大戦前後のギリシャの政治状況を背景に旅芸人一家の歩みを描いたものです。ギリシャ現代史を知らない私には良く分らないことが多かったのですが、圧制に対抗してゲリラになった主人公の一人が射殺され埋葬されるシーンだけは今でも心に残っています。墓地に埋葬される時、涙をこらえてみていた家族から、最初は躊躇いがちに、そして激しく拍手されるのです。あなたの生き方は立派だったと百万言いうよりも雄弁に語っているように。
間違いと悔いだらけの人生で「異議なし」と声がかかるはずもなく、確たる信念もなくふらふらしているので拍手で送られるなんてのぞむ術もないちゃらんぽらん人生を五十有余年送ってきただけに心に沁みいります。
がんばらないけどあきらめない生き方、まだまだ軌道修正する余地はあるのでしょうか。あると思います!と言えたらいいのですが。60歳になったとき、文字通り還暦として少年になることが出来るのでしょうか。テニスをやっているときはビール飲みながらで完全な親父だからな~。
「がんばらない」とあわせて読んでください。
コメント
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