英語と子育て

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山の生活と林業

2015-03-02 | その他
「床柱」「梁」「欄間」「一枚板」「縁側」・・・・これらの言葉を今の子どもはどれくらい知っているでしょうか? 見たことあるでしょうか?

一昔前の日本家屋には床の間や畳の部屋がありましたが、今の家はフローリングの洋間が増え、屋根も瓦じゃなくなってきて、日本家屋をと~んと見なくなりました。壁も土をこねた土壁じゃなくて、断熱材がはいった壁になって久しいです。

こんな具合に日本の家もここ50年で大きく変わりました。一時期、木造建築も減りましたが、最近になってまた「木」の家が見直されてきました。

 「木の香り」はストレスを解消し、心と身体を落ち着かせる作用があるそうです。

    

私が子どもの頃は夏休みになると決まって山に滞在しました。母方の祖母が三重県一志郡美杉村のお寺の出で、親戚が村にたったひとつある旅館を経営していました。

三重県の松阪から名松線(今は途中から廃線になっている)という単線の列車に乗っていくつも鉄橋を渡り、いっちばん奥の「奥津駅」から2時間ほど歩いたところにありますが、驚くほどの田舎です。

「美杉村」というのですから、美しい杉林が広がっていて、林業を生業とし、たくさんの「きこり」がこの旅館に宿泊していました。

「きこり」ってわかりますか? 大きな木にロープをかけて、猿のようにするすると昇り、余分な枝を切り(枝払いといいます)、時には大きな木を斧で切り倒すのです。

その村で、私たち姉妹に加えて従兄弟たちが夏休みには集まり一週間くらい滞在するのです。 山の合間を流れる清流で朝から泳ぎます。川の流れはすごく速いし、水も冷たい。もぐると川魚が泳いでいます。沢ガニもつかまえます。

夜は天の川がきれいに見えました

夜中過ぎには叔父たちがでかけ、滝壺近くに「もんどり」を仕掛け、朝方見にいくと、うなぎがかかっていました。養殖じゃありません、天然うなぎです。

こんな生活ですから夏休みの宿題の題材には事欠かなかった覚えがあります。

今思えば貴重な体験ばかりでした 

この美杉村を舞台にした映画が昨年の秋に公開されました。タイトルは「ウッジョブ! Wood Job! 」~若者と林業をテーマにした映画です。監督は「ウォーターボーイズ」でお馴染みの矢口史靖さんですから、おもしろさは想像できるでしょう。

原作は三浦しをんさんの「神去りなあなあ日常」。コミカルな生活の中にも林業の大変さがひしひしと伝わってきます。そして何より山の匂いが感じられる作品でした。

読みながら、懐かしい思い出に浸るとともに、農業のことはよくテレビや新聞で読みますが、日本の林業はどうなっているんだろう、と気になりました。

私が生まれた頃の木材自給率は9割でしたが、今はなんと2割まで落ち込んでいます。 木を育てるというのは手間も時間もかかります。何年、いや何十年かけて木を育てるわけです。

農業では、自分が育てたものを収穫しますが、林業では、先祖が育てた木を自分たちが伐採し、次の世代のために植樹するのです。

おまけにずっと林業の後継者も不足していることが大きな問題になっていました。

しかし、ここにきてやっと最近は林業の世界に飛び込む若者たちが増えてきているとか。

こういう小説や映画が、日本の林業に灯りをともしてくれると嬉しいな、と思います。なんでも現状を知ることが大事。

日本の山、日本の木を守りたいですね 



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