いいゆめを (渡辺三郎 山下明生えほん)山下 明生ポプラ社このアイテムの詳細を見る |
とびっきりの満月を、最近見た事があるのだろうか。すっかり夜更けは、空を見なくなった。
ただ、窓越しに、明るい月明かりが感じられる。電気のなかった昔は、満月の日は、夜でも道が歩ける特別の日だったのだろう。だからこそ、人々は、満月に特別の思いを抱いたのだろう。
今では、みんな、あまり夜空を見なくなったようだ。天文少年もすっかり絶滅危惧種となってしまった。虫好き少年と同じ運命をたどっている。
この絵本の中の、満月の優しい視点を楽しんでみよう。そして、いつか、本当の夜空の満月が、自分たちに、実際に優しいミルク色の光を注いでくれるのを身体で受け止めてみよう。
この絵本の月は、海のマンボウ、カモメたち、公園のネムノキにもおやすみを言っていく。そう、ネムノキは夜は、葉を閉じるんだったっけ。
時には、蛍を公園の噴水の上にあげたりする「いたずら」?を試みる満月。最後にお母さんと男の子と女の子の3人の家族とどうかかわっていくかは、どうぞ、絵本を読んで見てください。
月への思い、夜空の存在を忘れてしまったような私達の生活からすっかり抜け落ちてしまった思い、もう一度、思い出してみましょう。