路隘庵日剰

中年や暮れ方近くの後方凡走

鉛直に秋の秒針とどまりぬ

2012年10月24日 | Weblog


 深夜から降りだした雨が朝になってもやまずに、終日緩急つけながら降り続く。
 寒い。


                         


 「わめぞ」の蔵から出たところでテントを張っていた店に立ち止まる。シロートさんかと思ったが展げられた本の並びが明らかにプロで、数は少ないもののすっかり見入ってしまった。
 目を這わせていけばどれも手に取りたくなるものばかり。
 陽射しに背をやかれながらしばし堪能する。


                         


 牧野武夫『雲か山か 雑誌出版うらばなし』(昭和31年 学風書院)は、なんか以前どっかでこの書名と筆者にひっかかった記憶があって買ってみた。ちゃんとパラフィンがかけてあって、当時の定価で290円。
 筆者は中央公論で出版部を立ち上げた人物。戦前の中公の編集というより営業面のうらばなしが語られている。その意味では出版史的に貴重な一冊かもしれない。

 大倉雄二『逆光家族 父・大倉喜八郎と私』(1985 文芸春秋)は大倉喜八郎への興味から買ってみたが、内容は「私」のほうに重点がある。飛ばし読みして本棚へ。またいつか読むかもしれない。
 ちなみに著者は喜八郎82歳の時の子。(母は27歳)このあとまだ弟が生まれているから(その時喜八郎87歳)一代で財閥を築くひとはタイシタもんである。


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