医療裁判傍聴記

傍聴した観想など

高岡典子医師 医師法違反 診療報酬詐欺事件 第4回公判

2018-07-19 21:26:25 | 傍聴記
701号法廷(岡田健彦裁判長)午前10時から午後5時まで4人の方の証人尋問がありました。暑い日が続きますので高岡夫妻の利昌被告が夏バテで気分が悪い様子でした。体調が悪くなったらすぐに医務室に行けるようにと被告人席ではなく後ろの弁護人席に座りました。

本日の最初の証人は、平成28年9月に1日だけ高岡医院(高岡西洋医学東亜医学医院)でアルバイトをした医師の方の証言です。(高岡典子医師の医業停止期間 平成27年10月15日から平成30年10月14日)
派遣会社から紹介されて高岡医院でアルバイトをすることになりました。高岡医師が医業停止中であることは知っていました。医院に伺いますと高岡典子医師が白衣を着て出迎えてくれました。挨拶を済ませ午前9時半頃から診察を始めますと、高岡医師は間仕切りの後ろから自分の診察を見ていました。後ろから時折、薬を出しましょう、漢方薬を出したら?などとわたしに助言をしていました。
掛かりつけの患者さんが来ると「体調どうなの?」などと自ら問診をしていました。心臓の患者さんが来ると「心エコーをやりましょう」と言って奥のベットで高岡医師が心臓付近に超音波を当てていました。私は、高岡医師は医業停止中であったので医師法に違反する不味い事をしているという認識がありました。

昼休みになり、向かいのアパートで休んでいると高岡夫妻が連れ立ってやって来て利昌被告から高岡医院で年棒1500万円くらいで院長として働かないかと誘われました。娘さんが研修医なので戻ってこれないので戻ってくるまでやって欲しいと言われました。医院には問題があると思ったので断るつもりでしたが、すぐには答えられないと言いました。
高岡夫妻の力関係ですが利昌被告が切り盛りしている様子でした。
わたしは高岡医師に、医療停止中なので医療行為は出来ないでしょうと問い詰めると、「厚生労働省で研修を受けています、他の医師が居れば問題ないの」と言われました。わたしは、それは事実と違うと思いました。それで後日、派遣会社を通して、それ以後の高岡医院でのアルバイトは断ることにしました。
そして市原保健所に対しても高岡医院には問題がある医療停止中の医師が診察をしている事を伝えました。担当者は「保健所の方でも把握していて再三に渡り高岡医師に注意をしているが言う事を聞きません。」と言われました。


つづきまして、会社員の患者の方の証言です。

最初は、健康診断を受けるために家から近い高岡医院を受診しました。その後、成人病の薬を貰いに行ったり、酷い坐骨神経痛が出た時には他院では1カ月掛かると言われたのですが、利昌被告から高岡医院では3日から5日で治せると言われましたので通院するようになりました。
治療は主に低周波治療器、針、灸でした。マッサージは息子さんから針灸は利昌被告にやってもらいました。
最初は足が痛くて起き上がれなかったのですが、2カ月近く通い、大分症状は良くりました。しかし、最初に言われた3日から5日では効果が出ませんでした、約束と違い不満でしたが、病気なので仕方のないところであります。
高岡医師の印象としては、人当たりは良い方ではないでしょうか、診断、病気の説明は普通ぐらい医師としては特に悪い印象はなかったです。


つづきまして、市原保健所の総務企画課に平成28年4月から29年3月まで勤められていた方の証言になります。

平成28年7月に、高岡医院の掛かりつけの患者さんからA子医師が高岡医院から居なくなり医業停止中の高岡医師が注射をしているとの電話連絡がありました。この連絡を聞いて保健所が監督する医療機関としては如何なものか不味いなと思いました。
8月頃に千葉県庁にも高岡医院に関する通報があり、県庁から立ち入り指導をするように命令があり、高岡医院に常勤の医師が誰であるか典子医師が診察をしていないか調査に行くことになりました。そして予約の電話連絡をしました、女性事務員に高岡医師に代わって欲しいと伝えると「高岡先生は診察中なので折り返し連絡します」と言われました。何という事なのか高岡医院では不正が日常化していたのです。取り返しのつかない不味い状況なのではないかと思いました。
8月10日に医院に伺い、典子医師と会いました。医師の出勤簿やタイムカードが無いと言われて出勤状況は分かりませんでした。賃金支払い状況や医師の指示書、電子カルテは、こちらに見せるのを嫌がり見せて貰えませんでした。これはA子医師が常勤で居なくて高岡医師が診察をしているので隠しているのではと思いました。それで患者さんからの通報や事務員さんとの電話のやり取りから高岡先生は医療行為をやっているのではないですかと聞くと「医療行為は補助的な事なら許される」と言いました。
医師の出勤状況が分かるようにして下さい、管理者不在なら休止届けをして下さいと伝えました。

また9月に非常勤の医師と言われる方と高岡医院の職員の方から高岡医師が患者さんを診ています、おかしいので指導をするようにと連絡がありました。
わたしは高岡医院がおかしい医院の休止の状況に当たると思いましたので平成28年10月3日付で休止届けを高岡医院にファックスで送信しました。

11月30日にA子医師の勤務状況確認の件で2度目の立ち入り検査をしました。出勤状況と管理医師の表示を見せてくださいと連絡して伺いました、患者さんの集まる待合室にA子医師の名前が管理者としてありました。出勤簿にはA子医師ともう3人の医師の名前がありました。

その後、警察から捜査依頼がありましたので協力しました。


つづきまして、平成25年4月から平成29年3月まで市原保健所の総務企画課に勤務されていた方の証言です。(第2回公判6月8日の午後に証言された市原保健所の同僚の人になります)

平成26年に診療報酬不正事件があり高岡医師が医業停止処分になり平成27年10月に高岡医院の管理者の変更届けに高岡医師とK医師が来ました。
平成28年の3月頃にK医師が居ないのに高岡医師が代わって診療を続けているという苦情が来ていたので高岡医院を訪問しました。
正面玄関に「御用のある方は裏口にお回りください」張り紙がありましたので、裏口でチャイムを鳴らし医院に入りました。休診の確認とK医師が居ないなら休止届けを出すように指導しました。
その後、利昌被告から新しい管理者としてA子医師が見つかったのだが医師免許書の原本が見つからない、それでも管理者の変更届けが出来るかと電話で聞かれたのですが出来ないと答えると高圧的に電話を切られました。
その後、3月10日に医師免許が見つかったという事で変更届けは出されました。

また8月に証人尋問が行なわれます。
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