医療裁判傍聴記

傍聴した観想など

千葉県弁護士 ちーべん 飲食店女性に強制性交致傷、傷害事件 初公判

2022-05-30 22:22:07 | 傍聴記
午前10時から201号法廷(上岡哲生裁判長)で千葉県弁護士会所属 武田祐介弁護士に対する強制性交致傷罪 傷害罪の裁判員裁判が開かれました。
2021年4月21日に事件の報道が千葉日報に掲載されてから裁判まで1年以上掛かりました。

武田被告は、5分刈りスーツ姿の腰縄手錠姿で刑務官に連れられて入廷しました。
裁判官と裁判員が入廷して裁判が始りました。
人定質問で氏名、生年月日、住所、本籍などを答えていました。 
本籍については弁論準備手続きの通りと答えていて分かりませんでした。本当に南房総市富浦町で安房高校出身者なのかは確かめられませんでした。

被告人は3件の事件について起訴されている。傷害罪が1件、強制性交罪が2件。
検察官の起訴状によりますと、令和元年11月午後11時頃 千葉市中央区富士見の路上において飲食店従業員の男性の胸部を殴って転倒させ胸ぐらを掴み顔面を殴る暴行を加え全治1週間の怪我を負わせたものである。 傷害罪 刑法204条

令和3年3月に千葉市中央区中央の自宅マンションにおいて、飲食店従業員Aさんに両手首を掴みベットに押し倒し仰向けの同人に馬乗りになり着衣を捲り上げて乳首を舐め抵抗する同人の顔面を拳で3回殴るなどの暴行をはたらいた。同人に対し口腔性交を遂げ、同人の陰部に自らの陰茎を押し当て性交しようとしたが陰茎が十分に勃起せず目的を遂げなかった。 強制性交等致傷罪 刑法181条2項 刑法177条前段

令和3年4月に千葉市中央区中央の自宅マンションにおいて、飲食店従業員Bさんの腕を掴みソファに座らせ着衣を捲り上げて乳首を舐め、腕を掴みベットに引き倒し仰向けに倒れた同人に馬乗りになり両腕を押さえつけ拳で顔面を数回殴り着衣の中に手を入れ陰部を触りズボンとパンツを引き下げ、「やらせてくれたら帰してやる、とっととやらせろ!」と言い、逃走しようとした同人の髪を引っ張り暴行をはたらき全治2週間の怪我を負わせたものである。  強制性交等致傷罪 刑法181条2項 刑法177条前段

被告人は何れも「間違いありません」と罪を認めました。

検察官の冒頭陳述になります。

事案の概要
弁護士である被告が、連続して飲食店従業員の女性を自宅に連れ込み顔面を殴るなどして強制性交しようとしたり怪我をさせた3件の事案です。
被告人の経歴 平成22年に弁護士登録し10年間事務所に勤務した後、令和元年に独立し代表として活動していた。 妻子がいるが別居中でした。

第一の傷害事件について、被告人が甲店従業員女性のバックを持ち去る事件がありました。従業員女性と食事をしてホテルに連れ込もうとしたら抵抗されてバックを持ち去った後、店にバックを戻しにいったところ従業員男性とトラブルになりました。
被告人は男性の胸部を殴り転倒させ顔面を拳で殴り全治一週間の傷害を負わせました。

第二の強制性交事件について、乙店の従業員女性のAさんと食事の約束をして食事をして自宅に招き、手首を掴み乳首を舐めるなどして抵抗されて暴行をはたらき口腔性交は既遂です。強制性交は陰部に陰茎を押し当てただけなので未遂です。その暴行で2週間の傷害を負わせました。

第三の事件 丙店の従業員女性のBさんに丙店で接客を受け食事の約束をして食事をして自宅に招き、乳首を舐めベットに倒し抵抗されて顔面を拳で殴るなどした。パンツを下ろしてやらせろなどと言った。 強制性交については未遂であります。やはり暴行で2週間の傷害を負わせました。 Bさんは被告人方から逃走して110番通報して事件が発覚しました。

裁判長から3件事件について公訴事実には争いがなく被告人にどのような量刑をするかが争点になるとの説明がありまして冒頭陳述が終了しました。

証拠調べになります。
第一事件についてのアルバイト女性の供述調書。被告人は甲店のアルバイト女性従業員と料亭で食事をしてバーに行きました。そこで被告人が強引に強い酒を勧めてきて酔って被告人から胸を掴まれて「ホテルに行くぞ、タクシーに乗れ」などと言われたので、周りに大声で助けを求めました。すると被告人はコートとバックを持ち去り、その後、店の男性従業員とトラブルになった事を聞き許せないと思いました。 同じような事件を起こすと思うので厳しく処罰してほしい。
 
バーの店員の調書
被告人は、調理場に来て自分にはアルコールを出すなと言いノンアルコールのジャスミン茶を出すよう言いました。女性の身体に抱きつくなどした後、「おい、お前タクシーを呼んでこい」と言いタクシーが着くと「バロンホテルに行くよう」に運転手に伝えてこいなど言いました。私は被告人が女性を泥酔させ襲おうとしたのではと思い近くで客引きをしていた店長をインカムで呼び店長が来て、女性を連れていこうとした被告人とトラブルになりました。

店長の調書
店の近くのバーから連絡があり、女の子が無理やり連れ去られそうになっている事を聞きました。バーに行くと床で泣きじゃくる女性従業員がいました。 被告人が腕を掴み立たせ、行くぞなどと怒鳴っていた。
店の女の子なので自分が送りますよと言うと、被告人が「盾突くのか!」と言いました。
外に連れ出しタクシーで帰ってもらいました。 女の子の荷物を被告人が持ち去ったので店に電話すると、従業員と争っているようでした。

被害者の店員の調書
勤務中に店長からバーで女の子がトラブルになったから行ってくると電話が入り、その後に女の子がバックとコートが弁護士の武田祐介に盗られたと言われ電話番号を探しといてと言われた。すると店のドアが開きピンクのバックが店内の床に置かれました。
バックの事を聞こうと男性を追いかけると「話す義務はない」などと言い立ち去ろうとしました。 「さっきの荷物は女の子から盗んだものではないの?」と聞くと、「返しただろう」と言いました。コートも女ものだったので「女性ものですよね?」と聞くと、「いや知らない俺のだ」と言いました。両手を広げて止まってと言いました。 いきなり男性が邪魔だよと言って拳で胸を殴られ払いのけられるように突き飛ばされて地面に倒れました。立ち上がり武田を抑えました。店長が来てから警察を呼びました。すると武田はお前らは糞だよ、社会の底辺だよクズと見下した事を言って、弁護士は警察と繋がっているのだから俺は逮捕されないなどと言いました。警察に行き武田は許せないと思いました。
その後、謝罪があったので示談をして被害届は取り下げました。
示談書には、自分の店には立ち寄らないと約束をしていましたが、その後も周辺で飲んでいて女の子とトラブルになっている話を聞き、やはりなと思いました。

午後から被告人質問です
弁護側の主尋問です。
>職業は?
弁護士です
>家族構成は?
妻と小学校低学年の子供が2人います。
>奥さんは仕事をしていましたか?
逮捕前は専業主婦でした。逮捕後は一家の収入が無くなったのでパートの仕事に出ています。
>2021年4月に逮捕される前は、家族と同居されていましたか?
2019年末頃から別居していました。
>それはなぜ?
恥ずかしい話ですが、私に不貞行為があったからです。
事務所を独立して忙しくして、設立事務所の近くに部屋を借りたからです。
>弁護士は何度の試験で合格しましたか?
一度です。
>合格の理由は?
試験に合格しようと考える思いなのでしょうか。沢山勉強しました。
>何時から弁護士に?
2010年の12月に登録をしました。2019年12月まで事務所に勤務していました。
>その後は
武田総合法律事務所を開設しました。2020年の1月からです。
>事務所は?
去年解散しました。
>2019年11月の胸を殴り転倒等の暴行の背景は?バーでは何を?
女性と酒を飲んでいた。 
>店長とトラブルになって女性のコートとバックを持っていたのはなぜ?
よく分からない。ホテルに行きたかったという気持ちがさせたのかもしれない。
>飲食店にバックを返したのはなぜ?
どこかに返そうと思った。 バーに戻るとトラブルになるかもしれないと思った。
>その後帰宅しようと思った?
そうです。
>被害者に掴まって暴力をふるった?
まちがいない。正当防衛を主張するつもりはない。
>路上に座っていると、店長が来ましたね?
また揉み合いになり、2回目の暴行になりました。
>110番通報されて、警察が来るまでの間に暴言を吐きましたね?
身体を拘束される理由が法律的に無いので怒りの気持ちがあった。夜の仕事をしている人に偏見があった。見下した気持ちが発露した。
>弁護士は警察と繋がっているので逮捕されないと言ったことは?
明らかに間違っていた。思い上がった気持ちがあった。
>被害者との示談の内容は?
30万円を支払い、店には二度と行かないと云う事。被害届を取り下げてもらう事。
民事刑事ともに解決済みだと思っていた。この傷害事件が起訴されたのは不思議でありません。
>この事件は、以前の法律事務所に知られましたね?
そうです、事件が発覚しました。共同経営者に報告しました。
当時、怒りの感情が抑えられなくてクリニックに通院していて治療していました。
>クリニックに行ったきっかけは?
それ以前の2019年4月に飲食店従業員女性と食事の約束をしたがキャンセルされlineのやり取りの女性トラブルがありまして、それが事務所に発覚していました。
それから医学的対応が必要という事でクリニックに行くようになった。
>その事件で処分はありましたか?
共同経営者からヒラの勤務弁護士に降格になりました。
>この11月の事件では、どのような処分を?
2度目という事で、事務所を出て行けという事になりました。
>それで2020年に事務所を開設したのですね?
そうです。
>その後、クリニックは継続していましたか?
いつ辞めたか分からないが、長く継続していなかった。
>理由は?
あまり効果が得られていなかった。忙しくなり中止してしまった。

検察官からの反対尋問
>傷害の2回の暴行事件を争わない?
揉み合いになった結果で、明確に暴行をしたことを覚えていない。
記憶できていない。
>コートを着ていた事は?
分からない。 揉み合いになった時に着ていた覚えはある。
急いで帰ろうとしたので、返すことを考えがなかった。
>バーからホテルに行くことは、どうしてできなかった?
女性が酔い潰れた。 店長に邪魔されていらいらした。
>バックを置いた説明を聞きたかった被害者の行動は理解できない?
早く帰りたくて、掴まってしまったという記憶しかない。
>掴まったと云うのはどういう動作?
鷲掴みで、抱きつかれたような感じ。
>揉み合いの体制は?
向き合って掴まれていた状態。
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