モノ・語り

現代のクラフトの作り手と作品を主役とするライフストーリーを綴ります。

「美の用」続き

2009年07月17日 | モノ・こと・ことば
「かたち21」のHP
 (リニューアルしました。)


「かたち21」のホームページをリニューアルしました。
今回の改訂版では、「美の用」とか「使うことは作ること」をアピールすることに主眼を置いています。

「美の用」というのは、前回も書きましたように
「用の美」の漢字を入れ替えただけなのですが、意味がまったく違ってくるんです。
「用の美」は「道具の美」とか「使うこと自体に感取される美」というほどの意味で、
原則としては「道具」とか「使う」ということと「美」とは別なものであるということが、
無意識のうちにも前提とされています。
他方、「美の用」というのは「美には用(はたらき)がある」ということであって、
「美」と「用」を区別しないのです。

「美には用がある」などというと、長い間「美」を「用」から切り離して、
「美」の自立性にたてこもっていたアーチストや美術家の方々のヒンシュクを買いそうで、
今年、大学の講義で話し始めたときも、最初はおそるおそるという感じでしたが、
学生のウケは意外とよかったのです。
長い間もやもやしていたことが、これで初めて納得がいったと受け止めてくれた子もいました。

講義の感想を書いてもらったレポートを読んでも、
学生が正確に理解していることがわかりました。その一例をここに紹介しておきます。

〈「使えるもの」の形にある美を見出したのが「用の美」だとすれば、「使えるもの」と「使えないもの」の区別なく「美」とは何かと純粋に問い直す意味がこの言葉にはあるように思う。それは「美」を至上のものと考えることとはまったく違う。純粋に問われるべきは、これからの時代を生きる人間一人ひとりの生き様を通して見出すことのできる「美」なのであり、「豊かな人間性」とは何かを問いかけるものなのである。〉

これ以上付け加える言葉はありません。あとは「美の用」をめぐる実践を重ねていきます。
そのためにも一人でも多くの方に「かたちの会」へのご参加を呼びかけたいと思います。

(「かたちの会」は期毎になっていますが、ご入会はいつでもフレキシブルに対応していますので、
お気軽にお問合せください。)
「かたちの会」HP


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