かたち21のHP
前回、千利休のお弟子さんで「利休七哲」とされる大名たちが
みんなキリシタンであったのは意味深、と書きましたが、
利休その人もまたキリシタンだったという説もあって、本にもなっています。
山田無庵という言語学者が書いた本で、題名もズバリ『キリシタン千利休』というものです。
1995年に発行されていて、その時点で著者は亡くなっているし、実証的な研究も進んでいないのか、
その後「利休=キリシタン」説が取りざたされた形跡はないようです。
本を読んでみるとありうる話のように思えてきますが、
私の興味はそのこと自体よりも、利休が持っていた空間感覚のようなものです。
二畳台目の茶室とか楽茶碗とかを創った利休の空間感覚ですね。
西洋の歴史では大航海時代といわれる時代の利休の空間感覚です。
カラヴァッジョやエル・グレコと同時代に生きた利休の空間感覚です。
そういった想念が私の中で芽生えてきたのも、
10年以上も前に安倍安人さんの話を聞いたことがきっかけになっています。