モノ・語り

現代のクラフトの作り手と作品を主役とするライフストーリーを綴ります。

中野みどり展の収穫

2010年07月11日 | 中野みどり紬織り

かたち21のHP



しばらくでした。
「中野みどり紬のきもの展」が想定以上の盛会で、いろんな意味で収穫もありました。
展覧会の打ち上げを、関係者7人と先月の下旬に行ったりして、
個展の余韻にしばしひたっておりました。
遅まきながら、みなさまのご理解とご協力に感謝いたします。
今回はその「収穫」から、今後の展開を望んでの抱負を書いておくことにします。



[さろん「中野みどりへの一問一答」]より



現代社会は「消費社会」とも言われていますが、
人々の欲望が「商品の購買」ということに向けられている社会をそう呼ぶわけですね。
だから消費社会においては欲望を掻き立てるための情報があふれることになり、
自分が本当に欲しているものは何なのかということが、
個人のレベルではかえって分かりづらくなってるように思います。
それで人々の欲望はもっぱら「価格の安い方へ、安い方へ」と向かっていくことになるのでしょう。

自分が本当に欲しているものが何なのかを見極めるためには、
心の中が透明に澄んでいて、そしておだやかで静かな状態になっている必要があります。
そんな中で見出されるものがあるとすれば、
それこそが自分にとって本当に必要なものだと思います。

そういうものに現代の人は餓えているのではないでしょうか。
だからそれを見出した人の表情は、たちまち晴れ晴れとしてきます。
そして元気になっていきます。
中野さんの個展を企画し、来場する人々の様子を見ていて強く印象に残ったのは、
自分が本当に欲しているものを見出したときの晴れ晴れとした表情でした。

現代の工芸に求められているのはそういうことであるはずです。
そのことに気づくための方法を、これからいろいろ試みていく必要があると思いました。



コメント
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