モノ・語り

現代のクラフトの作り手と作品を主役とするライフストーリーを綴ります。

KATACHI-JUKU No.15を発行しました。

2017年12月21日 | 「かたち塾」




特集は「音を体験するワークショップ」で、講師はパーカッショニストの永井朋生さん、
今回3回目です。

参加者各自“音の出るもの”を持ち寄り、前半は、それぞれの“音の出るもの”の音を聴いていきました。ユニークなところでは、松ぼっくり、500ml牛乳紙パックに輪ゴムをかけたもの、使い古しの毛筆などがありました。
永井さんは、「こんな音も出せる」と言って予期しなかった音を出してみせたりすると、場が一挙に盛り上がっていきました。
最後にいきなり全員での即興合奏を行って、空気があったまってきました。

後半は、永井さん持参の打楽器を各自が選び、拍子を導入して、即興合奏に挑戦しました。
8泊のうちの2箇所で自分の楽器を鳴らすのですが、やってるうちにリズムが生じ、他の人の音が聴こえるようになって、演奏は次第にグルーヴしていったのです。
最後は各自持参の“音の出るもの”と永井さんの打楽器とのミックスで、曲の流れにメリハリをつけて演奏したので、全員音の世界に完全にのめり込んでいったのでした。

このワークショップの一番すごいなと思ったのは、“練習”という概念なしに、“音の出るもの”(いわゆる楽器を含めて)を手に取った初っ端から“音楽”を愉しんでいけるというところです。
それはこのワークショップが“音の根源”と向き合っていくところから始まっているからであると思います。

KATACHI-JUKU No.15ではその経過を更に詳細に報告するとともに、参加者の感想も紹介しています。

なお、KATACHI-JUKUは今号をもって最終号となりました。
ご参加、ご購読ありがとうございました。

来春から新冊子『かたち―人は日々』を発行します。
内容は数名の作り手の日々の制作を個別に論評していきます。乞うご期待ください。
かたちのHPも現在リニューアル中ですのでご覧ください。→  


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第15回「かたち塾」のお知らせ

2017年11月18日 | 「かたち塾」

第15回「かたち塾」のお知らせ

タイトル―――音を体験するワークショップ[Ⅲ]
講 師――――永井朋生(パーカッショニスト・作曲家)
日 時――――2017年12月9日(土).1:15p.m.~4:30p.m.
会 場――――和光大学ポプリホール鶴川 練習室3
受講料――――4,000円  (茶菓子代込)
受講者数―――満席で締め切りました。
趣向―――――参加者全員による即興演奏を目指して、「音づくり」のワークショップを行います。

※ 楽器以外の「音の出るもの」を1~3種類ご持参ください。
(これまでの例:鍵束、紙箱、ティーカップ、うちわ、こけし、木の実、金属製のもの、など)



前回の即興演奏は1回60~90秒ぐらいの長さで、10takeほど録音しました。
永井さんが動画を用意してくれていて、採録した曲と合わせると、画像と演奏が結構合っていたのが、思いがけない発見でした。

永井さん曰く「失敗というのはないのです。すべてが受け入れられます。」
でも創造性が触発されていくワークショップです。

これまでの参加者は全員、器楽演奏は初めての方々ばかりでした。
どなた様もお気軽にご参加ください。
永井さんの演奏もあります。


詳細は当塾のHPでご覧ください。
受講のお申込もHPからできます。

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KATACHI-JUKU No.14を発行しました。

2017年11月13日 | 「かたち塾」

KATACHI-JUKU No.14を発行しました。



特集は「五感の探索――味覚のシンフォニーを愉しむ」ということで、東京・青山の和食料理店のランチコースを賞味しました。




味しいものを食べると言葉が口をついて次々と出てくるのです。
会食の間、会話が途切れることがなく、また、塾としてやっているという自覚を参加された皆さん持たれていたので、料理に対する感想やコメントもたくさんありました。
そういうわけで、今回は皆さんの発言で構成しました。
食事は総じて堪能されたようです。

タイトルに「五感の探索」とありますが、食後の板長さん(店主でもある)への質疑応答では、単に味覚だけでなく、視覚・聴覚・嗅覚・触覚への配慮が常日頃からなされていることが了解されました。
板前さんにとっては、料理を作るということはそのまま人間としての修練を積み重ねていくことであるということが伝わってきました。

次回かたち塾は「音」を体験するワークショップです。
初めての方もぜひご参加ください。
詳細、お申込みはこちら

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第14回「かたち塾」味覚のシンフォニーを愉しむのお知らせ

2017年10月06日 | 「かたち塾」

第14回「かたち塾」のお知らせ

タイトル―――味覚のシンフォニーを愉しむ
講 師――――笹山 央(かたち塾代表・工芸評論)料理店店主(料理人)
日 時――――2017年10月21日(土).
会 場――――東京都港区南青山にある和食料理店
受講料――――10,000円  料理とお飲み物代含みます。
受講者数―――10名様まで(要予約)

詳細は当塾のHPでご覧ください。
受講のお申込もHPからできます。

これまで〈見る〉ことを中心に〈聴く〉〈嗅ぐ〉と五感のはたらきをテーマにした塾を開いてきましたが、今回は“味わう”にスポットを当てます。

私(かたち塾長)の場合、ここでの食事は単に「美味しいものを食べる」というだけではなく、コンサートを聴いたり、観劇したりするときの時間の流れに浸るような感覚を愉しんでいます。


全席に窓があり、四季ごとに造作が変えられる坪庭の風情も愉しみの一つです。
向かいの壁に植栽の影が映り、それが時々刻々と変化していくのですが、抽象的動画を見ているような面白さがあります。

食後にはご店主にも、質疑応答形式でお話を聴くことになっています。
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KATACHI-JUKU No.13を発行しました。

2017年09月30日 | 「かたち塾」


バックナンバー販売中(詳細は巻末をごらんください。) 

「長谷川沼田居美術館を訪ねる」というのが特集タイトルですが、9月10日に栃木県足利市にある同美術館を訪ねて、折から展示していた20点ほどの作品を鑑賞しました。
足利市立美術館学芸員の江尻潔氏に懇切な解説をしていただいたので、その時の話を中心に報告しています。

沼田居については、当ブログの前回の記事にも少し書いていますし、資料の紹介もしていますので、ここでは省略します。
しかし、沼田居の作品はたとえ小品であっても、生で接すると感慨を新たにするところがあり、
今回のKATACJI-JUKUは通常のフォーマットに従った作りではなく、ほとんど全ページをこの特集に当てています。
表紙もなるべく作品が目立つようにレイアウトしました。

ひとつ新しく付け加わった観点を書いておきますと、
沼田居は晩年の10年を両眼摘出による全盲状態で、それでも絵を描き続けていくのですが、
最晩年の1年間ほどは、「消え失せた眼の玉再び帰り来たる」という境地に達するのです。
それまでの苦闘はすさまじいものがありますが、そこまで至った画家は、私の知る限りでは他にいないと思います。

参加者の中野みどりさんのブログの「長谷川沼田居美術館を訪ねて」の記事はこちらから。

バックナンバーNo.13 420円(送料込)
お申し込みは、郵便振替をご利用ください。
口座記号・番号:0160-4-582994  名義:KATACHI21プランニング

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