モノ・語り

現代のクラフトの作り手と作品を主役とするライフストーリーを綴ります。

「かたち in Sapporo 展」のお知らせ

2012年09月25日 | 展覧会・イベント
北海道は札幌市のギャラリーで「かたち展」を開催することになりました。
南区真駒内に一昨年オープンしたkamokamoというギャラリーで、
オーナーでジュエリストの鴨下蓉子さんは旧くからの「かたち」の読者でもあり、
今回は共同企画の形での開催です。
ギャラリーは半円形で局面部分がガラス張りの外光がたっぷりと注ぎ込む
デザインフルな空間で、開放的でここちよいひと時を過ごすことができます。


 
ギャラリーkamokamoの写真/左は外観、右は屋内。オープン前に撮影したものです。


展覧会は、本州からは「かたちの会」会誌で紹介してきた数人の工芸家、
北海道の工芸家にも参加してもらって企画しました。
テーマは「取合せの美」という観点からの現代工芸(手仕事)の捉え直しということで、
「装身」「床の間飾り」「卓上の器」の3つの柱を立てました。

「装身」の部の出品作家は紬織りの中野みどりさん(東京)、
皮革バッグの高瀬季里子さん(札幌)、ジュエリーの鴨下蓉子さん(札幌)です。
中野さんの風合い豊かな紬のショール、鴨下さんのカジュアルなメタリックジュエリーと
高瀬さんのシンプルで品格のあるバッグが、立体的な取合せのハーモニーを醸し出します。
是非手に触れながら見ていただきたい手仕事作品群です。

「床の間飾り」の部は、陶芸家の花器やオブジェ作品が中心です。
床の間スペースを再現するというよりは、従来の一品鑑賞から、
床の間スペースを構成するひとつの要素として作品を鑑賞するということを提唱するものです。
本州からは、恵美加子さん(東京)、植草達郎さん(山口県萩市)に参加してもらいました。
恵美さんは薪窯で焼いた黒陶のオブジェ風花器、
植草さんは細工物と香炉の出品をお願いしています。
北海道からは松原茂樹さんです。具象的なオブジェやシンプルな形態の花器などを作っています。
軸となる作品は、北海道の染色作家、工藤ユウさんにお願いしました。

「卓上の器」では、輪島塗の角好司さんのお盆や汁椀、
和歌山市の木工作家うえやまともこさんのスプーン、バターナイフやカッティングボード、
北海道栗山町にガラス工房を持つ中川晃さんのワイングラスや注器、ほかを出品します。

 
上記の3部には区分されませんが、ギャラリーのテーブルを制作した木工作家の勝水喜一さんも参加します。
また、角好司さんには輪島の職人技が堪能される蒔絵の作品も出品してもらうことになっています。
これも是非見ていただきたい仕事です。


[会期]  2012年10月3日(水)~9日(火) A.M.11:00~P.M.6:00
[会場]  kamokamo 札幌市南区真駒内幸町1-1-15 011-584-0025
[アート鑑賞いろは塾] 10月6日(土)P.M.2:30~16:00
コーディネーター:笹山 央  テーマ:「〈取合せ〉の観点からの美術論」


DMは、kamokamoさんの希望に即して、私の文章(「美は使うことの中にある」)をメインに設定した作りになっています。
活字だけのDMというのは、ビジュアル系のものとしては近年かなり珍しいですね。
世相もそうですが、工芸の世界でも何か思い切った変化が求められています。
そういったことのひとつのきっかけになることを希う気持ちがこのDMには込められているのですね。






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