モノ・語り

現代のクラフトの作り手と作品を主役とするライフストーリーを綴ります。

「根源へ――『現代工芸論』から生まれてきたもの」展と第3回かたち塾のお知らせ

2015年06月01日 | 展覧会・イベント

企画――笹山 央(『現代工芸論』著者)
会期――6月16日(火)―21日(日)
会場――清川泰次記念館ギャラリー
出品者―多摩美術大学での講義「現代工芸論」の受講生有志
 穴見尚之(絵画科版画3年)・天沼雅史(工芸科金工3年)・飯島暉子(絵画科油画3年)・
 菅原央喜(彫刻科3年)・吉田麻未(絵画科油画 大学院1年)


この展覧会は2014年に多摩美術大学で行われた「現代工芸論」(講師:笹山)の受講生のうち、講義またはテキスト『現代工芸論』からヒントを得てみずからの作品制作につなげていった5人の学生による展覧会です。
タイトルを「根源へ」としたのは以下の理由によるものです。

5人の出品者の制作モチーフを具体的に紹介すると、「模写の効用」「ゴミを素材としていいものを作る」「物質の側から歩み寄る」「観る人に愉しんでもらえる創作」「表現主義的ではなく、システムを設定しての創作」といったようなことになります。
いずれも、従来の「オリジナリティ」「素材のヒエラルキー的評価」「コンセプチュアル」「自己表現」「表現主義」といった「アートの枠組み」を逸脱する志向性が含まれています。
そのような志向性を提起するきっかけとなった事柄がいわゆる「工芸的なるもの」であるわけです。

すなわち、「工芸的なるもの」として挙げられる諸特性は、アートという概念を組み立ててきた「近代的枠組み」を改めて検証する観点を提示することができるということですが、この検証を通して、アートや工芸やエンターテインメントや工業といったジャンル分けを超えた「根源的なもの」への道筋を探索していこうというのが、「根源へ」というタイトル付けの動機となりました。
このことこそが「工芸的なるもの(〈かたち〉的なるもの)」の現代的な意義であるというのが、『現代工芸論』に込めた意図にほかなりません。

とはいえ、出品者たちの試みは格別目新しいとか、脱構築的であるとかいうところに達しているというわけではありません。
というか、ここから「根源へ」の探索を一段一段と進めていく、そしてそのことがそのまま創作に繋がっていくことを期待しての、最初のとっかかりとして位置づけたいと思っています。
その意味で、会期中にトークセッションの機会も設けて出品者との対話を行ない、「根源へ」の展開のヴィジョンを見出していくことを試みてみたいと考えています。

ご来場をお待ちしています。
特にトークセッションへのご参加をお勧めしたく思います。

トークセッションはかたち塾の主催で開催します。
今年第3回目の開講です。
主 催―――――――かたち塾
ゲスト―――――――多摩美術大学学生(「根源へ」展出品者)
コーディネータ―――笹山 央(「かたち塾」主宰)
日 時―――――――2015年6月20日(土)午後3時~ 
会 場―――――――清川泰次記念館ギャラリー(世田谷美術館分館) 世田谷区成城2-22-17  (最寄駅/小田急線鶴成城学園前駅から徒歩約5分)
受講料―――――――一般/2,500円 (「かたちの会」サポート会員は2,000円)
              学生/1,500円  
受講者数――――――定員/20名様

要予約――――――― 「かたち塾」のHPからお申込ください。




コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 中野みどり[美しい布を織る'1... | トップ | かたち塾会報「KATACHI-JUKU ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

展覧会・イベント」カテゴリの最新記事