モノ・語り

現代のクラフトの作り手と作品を主役とするライフストーリーを綴ります。

桶谷寧をもう少し

2009年11月08日 | 桶谷寧・曜変天目


かたち21HP



くどいようですが、桶谷さんについての話題をもう少し。

7日から東京の銀座の黒田陶苑で個展を開いてます。
曜変天目茶碗3点とその他の天目茶碗(いずれも新作)が出てますが、
私などは、作品に正対している間は心がときめき続けてしまいます。

桶谷さんの話はいつも超ド級の話題でいっぱいです。
(古陶磁に興味がない人には宇宙人語に聞こえると思いますが。)
そのほとんどは公表がはばかれるので、ここにも書くことができません。
(桶谷さんは大学は工学部で化学を専攻していた人ですから、その発言は科学的精神にのっとったものです。)

しかしそのホンノ一端をお披露目してみましょうか。
新作中に、黒っぽく発色した禾目や油滴の天目茶碗が数点ありまして、
私が桶谷さんに「このへんのものになると桶谷さんのオリジナルということになりますかねえ?」
と尋ねたあとの問答です。

「いや、発掘すれば出てくるんじゃないかなあ。」
「発掘って、ケンヨーのコヨウシで?」
「ケンヨーじゃないよ。ヨーヘンが焼かれたのはケンヨーじゃないんじゃないかと思ってるから。ケンヨーは天目の形がきちんとできてない。」
「じゃ、どこのコヨウシ?」
「×××(ここは伏字にしときます)。」
「へえ~、ああそうなんだ。」

やきものの歴史をめぐる定説が、桶谷さんとの話の中ではどんどんひっくり返っていきます。
それは日本の陶芸についても同じです。
私は、現代の陶芸はまだ幕が上がっていない、
これからこそ始まっていくのだと思ってます。




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