月と歩いた。

月の満ち欠けのように、毎日ぼちぼちと歩く私。
明日はもう少し、先へ。

「若さ」は財産

2020-10-16 | 
先週末、関東に住んでいる親友、あやととしくんが我が家に来てくれた。
「行っていい?」と聞かれた時、もう単純に嬉しくて飛び上がった。
2人ともこちらに実家があるが、コロナのことがあり、緊急事態宣言中のゴールデンウィークはもちろん帰省は自粛。
関東在住なので、お盆休みも自粛していて、今年に入ってから一度も会えていなかったのだ。
私もそうだが、9月以降、ようやく世間が動き出しているなと感じる。Gotoトラベルも始まり、県を越えての移動が許されるようになったというか、やっと会いたい人に会えるようになったと感じる。
本当に日本全国のみんなが我慢した数ヶ月だったなと思う。

もともとこの日はふみこと会う予定があったので、喜んで予定変更。ふみこもうちに来て、みんなで久しぶりに顔を合わせた。
私が新潟のカーブドッチワイナリーで買ってきた、醸造家・掛川氏のチャレンジワイン「どうぶつシリーズ」6本セットも3本開栓。


「おうむ」はスパイシーで軽い赤ワイン。「ペンギン」はグレープフルーツのような白ワイン。「いっかく」は最近流行りのオレンジワイン。どれも個性的で飲んでいて楽しかった。
自分は昔から酒飲みというだけでなく、きき酒師の資格を取るくらい「味を見分ける」という作業が好きなので(お酒を飲めるようになるまでは「きき紅茶」みたいなことをよくやっていた)、自分が経験したことのない味に出合うと嬉しくなる。すごく楽しい。それが好きな味でもそうでもなくても。
ワイン好きな人たちがちょうど来てくれてよかった。自分だけで飲むにはもったいなかったから。

あやが校閲者の資格を取得し、書籍校閲の仕事を始めて、その話を聞くのも楽しかった。
あまりに充実感を持って話すものだから、ライターより校閲者のほうが面白いんじゃないかと思ったほど。
50歳を前にしての挑戦。新しい世界での活躍。やっぱり彼女はただ者ではない。尊敬の念を送ると同時に、心から応援している。

夕方になって、ふみこの長女が来てくれた。22歳。私の姪っ子と同じ年だけど、正直、姪っ子よりも親しみがある。
生まれた時から見てきたのだ。今でもふみこの実家に赤ちゃんだったあの子を見に行ったことを思い出す。小さくてかわいくて、自分の親友はこんなかわいい子供を産むことができるんだ、すごいなぁと思った。
それからずっと大きくなっていく様子を見ていた。
二人姉妹で二人とも優秀で、高校ではひたすらダンスに打ち込み、二人とも世界大会でアメリカまで行った。
部活一色の3年間だったはずなのに、二人とも関西の有名私立大学に現役合格。
何か一つのことをやり遂げた人間は、その成功体験によって他のこともやり遂げられる人になる。そのことを実証した例だといつも思う。

彼女は、とても美人で、ダンスで鍛えたすらっとした体で、若さで輝いていた。眩しいほどに。
あの生まれたばかりの赤ちゃんだったあの子と、いつかお酒を飲めたらと思っていたが、ようやくそれが叶った。
日本酒が好きだと言って、私が勧める日本酒をたくさん飲んでくれた。
就職活動中で、その話もみんなで聞いて、アドバイスをした。
久しぶりに親友たちと集まれただけでなく、彼女が来てくれたおかげで、とても素敵な夜だった。
「若い」ということは、それだけで財産なんだなと思う。決して年を重ねたことを卑下して言っているのではなく、普段若い人と接することがないので、「若さ」というのはやはり素晴らしいと感じた。輝いていた。

自分も20代前半は、何も怖くなかった。
根拠のない自信というのでもない。自信なんていう言葉はそぐわない。
ただ、バカだったんだろう。何も怖くなかった。未来は自分に対して優しくて、開いていると思っていた。漠然と。
失敗しても取り返しがつくと思っていたし、失敗するということがどういうことなのか、そのイメージすら湧かなかった。
こえー!20代!
だから、一応、国立大学まで行ったのに就職活動も一度もしなかったし、「組織ムリ~」「同じ仕事、同じ職場ムリ~」「文章書きたい~」「ラッシュの電車、絶対いやー」というワガママだけで、フリーライターになった。
こわっ!
それが通用すると思っていたんだから。
もう今の私からしたら、あの頃の私なんて、変人というか、ぶっとんでいる。
でも、一番恐ろしいのは、通用してしまったという事実だな。本当にたまたま運よくここまで来たが(私はいつも人生の岐路で欲しいサイコロの目が出る)、路頭に迷っていてもまったくおかしくないことをやっているわけで。
若さゆえできたことだ。今なんかブルって絶対何もできない。保身、とにかく保身。そして、ニコニコと我慢して人とうまくやることだけ考えている。これが大人じゃけー!と思っている。

話がそれたが、とにかく楽しい時間だった。
家にたくさん人が来てくれるのも久しぶりだったし。やっぱりこうでないとね。
ただ、楽しい時間が過ぎるのはあっという間。全くしゃべり足りなかった。
次は私が関東へ行こう。
自分の好きな人たちが、幸せそうな顔で、一緒に美味しいものを食べたり飲んだりしてくれるのが、私は一番嬉しいんだ。