5日、CT検査は10時40分からだった。
10分前に受付なので、それまでに採血を済ませる。少し早く終わり、10時20分に受付し、CT検査室への案内を受けた。
運命のCTまであと20分。
扉前のソファで瞑想し、自分の全細胞に語りかけ、最高の状態で臨もう。
そう思いながら検査室の前まで歩いていくと、辿り着く前にガラッと扉が開いて、看護師さんが顔を出し、私の名前を呼んだ。
「はい!」
慌てて小走りで検査室へ。すぐに説明が始まった。
え~!!
20分の瞑想は・・・?最高の状態も心の準備もまだできていないのに?!なんでこんな早いの?!
そんな私の心の叫びなど知らない検査技師さんはテキパキと指示を出し、あれよあれよという間に寝かされ、もうCTのトンネルの中にいた。
マジか~!!
造影剤も点滴で入れて、ものすごいスピードで終了。
私の気持ちなどお構いなしで、「運命の検査」は終わったのだった。
そして、1週間後の12日、検査結果を夫と一緒に聞きにいった。
また緊張してお腹が痛くなり、もう名前を呼ばれるかと思ったが我慢できずにトイレへ。
戻ってくると夫が手招きしている。もう呼ばれたらしい。
ああ、また心の準備が・・・。
診察室へ入るとすぐに主治医の机をチェック。もしすぐにでも治療が始まるのなら説明書類などが置いてあるはずなのだ。
何もないことを確認して、これはいい結果かも・・・と思った。
予想通り、主治医はこう言った。
「結果から言うと、よかったです。不思議なんですけど、大きくなっていないどころか、じんわり小さくなってるんですよね」
夫と顔を見合わせる。やった!!
「よかった・・・」と思わず安堵の声が漏れた。
主治医はまるで「大きくなっていないこと」が不満であるかのように「なんででしょう・・・」と繰り返し、その不満な響きにハッとして「いや、いいことなんですよ。よかったです」と付け加えた。
何もしなくてよくなるなら、辛い抗がん剤治療を勧めてきた自分って・・・と主治医が思ってしまったらかわいそうだと、こんな時にまで気を遣ってしまう。
「ストレスがなかったのもよかったかもしれません」
「ものすごい開放感があったのがよかったのかも」
「9クール頑張ってきたからかも」
などなど、必死に主治医のフォローにまわる私・・・。
ああ、こういう性格がガンを作るのかもしれないとも思いながら、それでも、主治医には感謝しているし、プライドを傷つけたくはなかった。
だから、もちろん食箋や温浴、瞑想のことなどは黙っている。
私がこんなに気を遣っているのに、主治医はポロっと「まあ、いつかは必ず大きくなるので」と口を滑らせた。
ムッとしたが、結果が良かった事実に酔いしれているので、そんなことは何でもない。すっと流すことができた。
それよりも大事なのは今後のこと。
「このままもう少し様子をみましょうか。次は3か月後にCTとりますね」と主治医から言ってくれたので、これまたホッとした。よかった!!
この間のCTは食箋と温浴を始めて3週間しかたっていなかったが、3か月後ならもっと効果が表れているはず!
セカンドドクターも「体質改善には2~3か月はかかる」と言っていたのでちょうどいい。
主治医には申し訳ないが、3か月後のCTでは「完全になくなっていました!」と言わせてやるのだ。
そんなことを考えるだけでワクワクしたし、主治医の本音(必ず大きくなる)も引きずらなかった。3か月後、目に物見せてくれるわ!
診察室を出てから、夫と改めて顔を見合わせ、「よかった~!」と言い合った。
本当に良かった。奇跡は起こる。前に「奇跡の途中」だと書いた通り、私はまだ奇跡の途中にいるのだ。しかし、ゴールも間近!
治療をしなければ、普通は「進行する」。良くて「現状維持」。それなのに、わずかであっても「縮小していた」のだ。これが奇跡じゃなくて、なんだ?
一度家に帰り、それから夫と高槻へ出た。夫と夜の街で外食するなんて、5ヶ月ぶりくらいだろうか。
美味しいものを食べたくて「宇久」へ行った。
今日は何でも注文していいと言うので、のどぐろの炙り刺身(半身)。なんと贅沢なことよ!
超絶な旨さ。なんじゃこれ!
口に入れた瞬間の炙りの香ばしさ、噛んだ時の甘み、口の中に広がる余韻。たまらん。目を閉じてしまう。
徳島の特大岩牡蛎。4つに切ってもらった1つ分が、普通の牡蠣よりまだ大きいくらい。
つるんと口に入れれば、自然の海水の塩気と旨味がいい塩梅だ。中がとろんとしていて、まるで白子。
「白子や、白子。・・・いや、子羊の脳みそや!」と私。(脳みそは食べたことないけどな)
マグロのトロカマ焼き。
これで「中」だという。(大もあった)
ジューシー!
お酒も飲んで、美味しくて楽しいひと時だった。
マスターと少し話したら、自粛解除以降、まあまあお客は戻っているとのこと。いつもは予約をしないと入れないので、以前と同じではないだろうけど、それでもこじんまりとした店内は全席埋まっていた。
テーブルの間を広くとってくれていたし、夫と向かい合って食べている分には安心だった。
やっぱり美味しいお店で飲み食いするって、いいなぁ。本当に楽しい。
さて。
一夜限りの宴も終わったので、また今日から食箋や温浴をしっかりやっていこうと思う。
調子に乗らず、気を引き締めて、3か月後の完全復活を目指す。
何にしろ、3か月は辛い治療もない。これまでの2か月と合わせれば5か月。すでに体力も元に戻ってきたが、5か月も薬を抜けばすっかり元気になるだろう。
本当に、ガンというのは不思議な病気だ。抗がん剤という治療法も不思議。治療すればするほど元気がなくなるなんて。
決して否定はしないけれど、9クールもやったのだからもう十分。
今は、ネガティブイメージは一切ない。
あとは良くなっていくだけ。早くみんなに奇跡を見せたい。
家族や友達、仕事仲間など、私のために祈ってくれていた人たちには、ただただ感謝。
本当にありがとう。
また一歩進んだよ。
10分前に受付なので、それまでに採血を済ませる。少し早く終わり、10時20分に受付し、CT検査室への案内を受けた。
運命のCTまであと20分。
扉前のソファで瞑想し、自分の全細胞に語りかけ、最高の状態で臨もう。
そう思いながら検査室の前まで歩いていくと、辿り着く前にガラッと扉が開いて、看護師さんが顔を出し、私の名前を呼んだ。
「はい!」
慌てて小走りで検査室へ。すぐに説明が始まった。
え~!!
20分の瞑想は・・・?最高の状態も心の準備もまだできていないのに?!なんでこんな早いの?!
そんな私の心の叫びなど知らない検査技師さんはテキパキと指示を出し、あれよあれよという間に寝かされ、もうCTのトンネルの中にいた。
マジか~!!
造影剤も点滴で入れて、ものすごいスピードで終了。
私の気持ちなどお構いなしで、「運命の検査」は終わったのだった。
そして、1週間後の12日、検査結果を夫と一緒に聞きにいった。
また緊張してお腹が痛くなり、もう名前を呼ばれるかと思ったが我慢できずにトイレへ。
戻ってくると夫が手招きしている。もう呼ばれたらしい。
ああ、また心の準備が・・・。
診察室へ入るとすぐに主治医の机をチェック。もしすぐにでも治療が始まるのなら説明書類などが置いてあるはずなのだ。
何もないことを確認して、これはいい結果かも・・・と思った。
予想通り、主治医はこう言った。
「結果から言うと、よかったです。不思議なんですけど、大きくなっていないどころか、じんわり小さくなってるんですよね」
夫と顔を見合わせる。やった!!
「よかった・・・」と思わず安堵の声が漏れた。
主治医はまるで「大きくなっていないこと」が不満であるかのように「なんででしょう・・・」と繰り返し、その不満な響きにハッとして「いや、いいことなんですよ。よかったです」と付け加えた。
何もしなくてよくなるなら、辛い抗がん剤治療を勧めてきた自分って・・・と主治医が思ってしまったらかわいそうだと、こんな時にまで気を遣ってしまう。
「ストレスがなかったのもよかったかもしれません」
「ものすごい開放感があったのがよかったのかも」
「9クール頑張ってきたからかも」
などなど、必死に主治医のフォローにまわる私・・・。
ああ、こういう性格がガンを作るのかもしれないとも思いながら、それでも、主治医には感謝しているし、プライドを傷つけたくはなかった。
だから、もちろん食箋や温浴、瞑想のことなどは黙っている。
私がこんなに気を遣っているのに、主治医はポロっと「まあ、いつかは必ず大きくなるので」と口を滑らせた。
ムッとしたが、結果が良かった事実に酔いしれているので、そんなことは何でもない。すっと流すことができた。
それよりも大事なのは今後のこと。
「このままもう少し様子をみましょうか。次は3か月後にCTとりますね」と主治医から言ってくれたので、これまたホッとした。よかった!!
この間のCTは食箋と温浴を始めて3週間しかたっていなかったが、3か月後ならもっと効果が表れているはず!
セカンドドクターも「体質改善には2~3か月はかかる」と言っていたのでちょうどいい。
主治医には申し訳ないが、3か月後のCTでは「完全になくなっていました!」と言わせてやるのだ。
そんなことを考えるだけでワクワクしたし、主治医の本音(必ず大きくなる)も引きずらなかった。3か月後、目に物見せてくれるわ!
診察室を出てから、夫と改めて顔を見合わせ、「よかった~!」と言い合った。
本当に良かった。奇跡は起こる。前に「奇跡の途中」だと書いた通り、私はまだ奇跡の途中にいるのだ。しかし、ゴールも間近!
治療をしなければ、普通は「進行する」。良くて「現状維持」。それなのに、わずかであっても「縮小していた」のだ。これが奇跡じゃなくて、なんだ?
一度家に帰り、それから夫と高槻へ出た。夫と夜の街で外食するなんて、5ヶ月ぶりくらいだろうか。
美味しいものを食べたくて「宇久」へ行った。
今日は何でも注文していいと言うので、のどぐろの炙り刺身(半身)。なんと贅沢なことよ!
超絶な旨さ。なんじゃこれ!
口に入れた瞬間の炙りの香ばしさ、噛んだ時の甘み、口の中に広がる余韻。たまらん。目を閉じてしまう。
徳島の特大岩牡蛎。4つに切ってもらった1つ分が、普通の牡蠣よりまだ大きいくらい。
つるんと口に入れれば、自然の海水の塩気と旨味がいい塩梅だ。中がとろんとしていて、まるで白子。
「白子や、白子。・・・いや、子羊の脳みそや!」と私。(脳みそは食べたことないけどな)
マグロのトロカマ焼き。
これで「中」だという。(大もあった)
ジューシー!
お酒も飲んで、美味しくて楽しいひと時だった。
マスターと少し話したら、自粛解除以降、まあまあお客は戻っているとのこと。いつもは予約をしないと入れないので、以前と同じではないだろうけど、それでもこじんまりとした店内は全席埋まっていた。
テーブルの間を広くとってくれていたし、夫と向かい合って食べている分には安心だった。
やっぱり美味しいお店で飲み食いするって、いいなぁ。本当に楽しい。
さて。
一夜限りの宴も終わったので、また今日から食箋や温浴をしっかりやっていこうと思う。
調子に乗らず、気を引き締めて、3か月後の完全復活を目指す。
何にしろ、3か月は辛い治療もない。これまでの2か月と合わせれば5か月。すでに体力も元に戻ってきたが、5か月も薬を抜けばすっかり元気になるだろう。
本当に、ガンというのは不思議な病気だ。抗がん剤という治療法も不思議。治療すればするほど元気がなくなるなんて。
決して否定はしないけれど、9クールもやったのだからもう十分。
今は、ネガティブイメージは一切ない。
あとは良くなっていくだけ。早くみんなに奇跡を見せたい。
家族や友達、仕事仲間など、私のために祈ってくれていた人たちには、ただただ感謝。
本当にありがとう。
また一歩進んだよ。