月と歩いた。

月の満ち欠けのように、毎日ぼちぼちと歩く私。
明日はもう少し、先へ。

眉毛とまつ毛

2016-08-12 | 癌について
頭髪は1クール目の3週目くらいに一気に抜けてしまったが、眉毛とまつ毛は「一気に抜ける」ということはなかった。
少なくとも2クール目までは十分にあった。
ただ、3クール目を終えてから、いよいよ少なくなってきて、眉毛もまつ毛も数えるほど(20本ずつくらい)になってしまった。

眉毛に関して言えば、「なくなると目印がないので描くのも難しい」ということを聞いていたが、まだ「ここにありましたよ~」程度の本数がちらほらと残っているので、それを頼りに描いている。
それに私はもともと前髪をたらしていて眉毛は見えないので、多少おかしくてもなんとかなる。

問題はまつ毛だ。
私はまつ毛が天パ(?)で、ビューラーいらずのクルクル上向きまつ毛。
不自然なほど上を向いているものだから、最近はよく「マツエクですか?」と聞かれることもあった。
小さな目もこのまつ毛のおかげで少しだけパチクリとしていたのだが、ほぼなくなってみると、なんだか怖い
可愛さの欠片もないのである。

つけまつ毛という手があるじゃないか!と思っていたが、やったことがないし、目だけがいわゆるギャル系になりそうで、これまた怖い。
自意識過剰なので、つけまつ毛を買いに行ったら、店員さんに「こんなオバサンがつけまつ毛買ってる!(笑)」と思われるんじゃないかと、そんな不安まで押し寄せてくる。

とりあえず練習してみようと、100均で“大人しそうな”つけまつ毛を2、3買ってきた。
「のり」も100均で買ったのだが、これがすぐはがれるし、なんだかうまくいかない。
手もふるえる。

それでもまだなんとか自まつ毛にマスカラでごまかせるくらいだったので、あまり焦りはなかった。
が、ここ数日で一気に抜けあがり、もうマスカラでも無理が出てきた。特に左目は真ん中が5ミリくらい、完全に空白なのだ。
慌ててネットで「つけまつ毛の上手な付け方」を調べると、ちゃんとあるんだね!!
それを熟読し(マジメ)、水や汗にも強くて落ちない接着剤を買ってきた。

つけまつ毛もそのまま使わずカットし、黒目の端あたりから、目尻にボリュームが出るようなものにした。
そして、強い接着剤を使ってみると・・・
いけた!!

コツを掴めば意外に簡単だし、全然はがれない。
何よりめっちゃ自然だ。むしろ、くるくるの自まつ毛の時より自然(笑)。
最近特に「まつ毛のない自分の顔」を見ていたので、久しぶりに「まつ毛のある顔」を見て、「あー、これやん!」と嬉しくなった。

つけまつ毛もこれまで買いに行ったことがなかったが、お店で見てみると本当に種類が多くて、別にギャルっぽい派手なものだけじゃないんだなぁとわかった。
ちょっとブラウンが入った柔らかい毛のものや、目尻にボリュームがあるもの、毛もそれほど長くなく自然に見えるものなど、いろいろあって、私のような年代でも別におかしくない。
ましてや今は自まつ毛がないので、つけてもゴテゴテにはならないのだとわかった。

そんなわけで、まつ毛問題が解決し、とてもホッとしている。
別に私は容姿にこだわるタイプの人間ではないのだが、やっぱり自分で意識していた以上に気になっていたんだなと思った。
まつ毛ができただけで、こんなにウキウキした嬉しい気持ちになるのだから

体調はというと、10日のケモ外来では、白血球の好中球数も1700まで戻っており、とりあえず一安心。マスク生活も終わった。
ただ、この日はCT検査も受けたのだが、その後少し体調が悪かった。
CTはただ撮影するだけでなく、腕から点滴で造影剤を入れながらやる。
副作用は出なかったが(出る人もいる)、絶食状態でものすごいスピードで入れられるので、体が一気に熱くなる。なんとも気持ちが悪い。
採血もしたので、もうフラフラだった。
そのうえ、この猛暑!!
スーパーで買い物をして、重い荷物を持って、フラフラで35℃の炎天下を帰るのは地獄だった。
家の前の坂道が永久に続くような気がした。
この日はもう何もできず、帰宅後はダウン。翌日はマシになっていたけれど、どうも疲れが出やすい。
思うように体が動かず、予定通りにいろんなことが進まないので落ち込んでしまう。
夫に言うと、「かおりは抗がん剤やってるんやし、こんなに暑かったら普通の人でも疲れるねん。しんどかったら休んだらいい」と言われたが、自分の怠惰をまだ受け入れることができずにいる。
こういう性格だからガンになるんだなぁと思った。最近、そう思うことがよくある。自分で自分にストレスを作っているのだ。
いつも夫に「働きバチ」と揶揄される。
でも、やらないといけないことも、やりたいことも、毎日たくさんあって、本当に寝ている時間がもったいなくて。
体の治療だけでなく、心の治療も必要かも・・・

何にしろ、検査はすべて終わった。あとは19日の結果を待つのみ!!
完全復活まであと少しだ!

抗がん剤治療3クール・3週間

2016-08-08 | 癌について
しばらくブログを更新せず、何をしていたのかというと、ひたすら出張に行っていた。
東京2回と北海道。
体調がよくなってきたからムチャをしているわけではなく、たまたま出張が重なっただけで、仕事量は以前の比較にもならない。
お盆休みも1週間くらいはとれるだろう。

副作用に関して言えば、痛みはなくなった。
蓄積されているのか、痺れだけは毎回ひどくなっていき、特に左足の指や足の裏は痺れが強くて歩きにくい。
手先も力が入らないので、パッケージなどを開封するのが苦手になった。
驚くほど早く書けた取材メモもダメ。後で見るともう何を書いているのかさっぱりわからないので、レコーダーが命。
でも、3クールで終われば、あとは良くなっていくだけだ。半年くらい経てば元通りになるのではないかと思う。
生活に支障が出るほどでもないし。

ただ、8月1日のケモ外来で、白血球の好中球数がなんと410まで減っていた!(健康な人は2000~7500)
さすがにびびった。
「数を増やす注射をしようかと思ったんですが、白血球の数自体はそこまで減っていないので様子を見ましょう」とのこと。
私もよくわからないが、この「好中球数」というのは500を切ると注射で増やしたほうがいいらしいのだが、白血球そのものはセーフ(?)の減り方なので、うたなくていいということらしい。
特に薬を飲むわけでもなく、それこそ「日にち薬」で、増えていくのを待つしかないようだった。

熱が出ると自力で下げられないうえに、菌やウイルスに対して何の抵抗力もないので、とにかく人ごみなどは避けて感染症に気をつけるようにと念を押された。38度以上の熱が出たらすぐに病院に来るように、とも。
明日から出張なんです、それも連続で5日間も・・・と言いそうになったが、止められそうなので黙っておいた。
しかし、ちょっと怖い。
出張先で熱が出たりしたら最悪だなぁ・・・と一瞬ひるんだが、今さら断るわけにもいかないので、マスクとイソジンを持って出かけた。

結果的には何もなく、10日が次のケモ外来だが、おそらく数も戻っていると思われる。
ただ、北海道で、なんと20箇所も蚊にかまれるという・・・。
いつもは数時間で痒みもなくなるのに、免疫力がないからだろうか・・・、見た事もないくらい変なアザのように腫れてしまった。
手足と首。特に足がひどくて、何かの皮膚病のように赤い斑点になっている・・・
治す力がないんだろうなぁ・・・
跡が残らないといいのだけど。

出張取材は全部楽しかったし、内容もうまくいったと思う。
あとは原稿を書くだけだ。
今は、何にも追い立てられることなく仕事ができている。
そういう「余裕」が原稿にも現れたらいいなぁと思う。
来週は奥琵琶湖にキャンプ!もちろんハスラーで行く。キャンプグッズもそろえた。
楽しいことがいっぱいだ。まだまだ生きていたい。
自分では「元気になった」と思う。心も体も。19日にすべてが決まる。もう通院もこれで終わりだ、きっと。