月と歩いた。

月の満ち欠けのように、毎日ぼちぼちと歩く私。
明日はもう少し、先へ。

あたたかな時間と空間のなかで

2020-06-13 | 癌について
2ヶ月ぶりにセカンドドクターのクリニックへ行った。
4月、5月も行きたかったのだが、コロナの外出自粛要請が出ていたし感染も怖いので、お休みしていたのだ。
県をまたぐし、電車に乗る時間も1時間と長いので、重症化リスクの高い私は自粛せざるを得なかった。
だが、自粛要請の解除だけでなく、6月に入っても大阪府(関西)は毎日の感染者がほぼゼロを記録しているので、ようやく自ら外出しようという気になった。

あいにくの大雨なので駅までは夫に車で送ってもらった。
およそ3ヶ月ぶりのJR!
とは言え、長年乗り続けてきた記憶は3ヶ月程度の自粛に負けることもなく、何の感慨も懐かしさもなかった。
こうやって当たり前のように日常が戻っていくのだな、と思った。

クリニックは、スリッパは回収、入口にはアルコール消毒液、「37.5℃以上の体温の方は入れません」の貼り紙など、やはり以前とは変わっていることもいくつか見られた。
でも、「人」と「空気」は変わらない。
受付のスタッフが優しく対応してくれ、なじみの看護師さんがわざわざ出てきて「お久しぶりです~」と声をかけてくれた。
病院なんてできれば足を踏み入れたくない場所のはずなのに、「帰ってきましたよ!ただいま~」とでも言いたくなった。

すぐに先生に呼ばれ、診察室へ。
先生も心なしか嬉しそうだ。私もつい顔が緩んでしまう。

先日病院でもらった診断書を見せ、この2ヶ月と今の状況、私の選択を話した。
先生になら伝わると思い、「アレルギーが起きて、副作用がいつもより辛かったので、自分の体が『もういっぱいいっぱいやねん!もう限界!』って言ってるような気がしたんです。だから、とにかく休む選択をしました」と説明すると、思っていた通り「うん、そうでしょう。選択はそれでいいと思いますよ」と同意してくださった。

これからのことも相談した。
高濃度ビタミンC点滴は隔週で受けることにし、その時に続けて瞑想も教わることになった。
「他に何かやったほうがいいことありますか?」と尋ねると、先生自身が市川加代子さんのやり方を勉強しているとのこと。「瞑想までのお昼休みに本を読んでみたらどうですか」と、本を貸してくださった。
こちらの先生も選択肢をいろいろ与えてくれるだけで、決して押し付けないのがいい。ものすごく柔軟で、いろんなことを取り入れようと自ら勉強されているのもわかるので、私はとても信頼している。
私も何でも知りたいので、ありがたく本を借りた。

その後、ビタミンCの点滴。
最近はもう採血も点滴も「使える血管」がないので一苦労だ。
さっき出て来てくれた看護師さんはベテラン風でとても上手なのだけど、それでも今回は1回失敗。(痛くはない)
「Sさんの血管細いから、うまくいった日はそれだけで一日いい気分。でも今日はダメだった。いじめちゃってごめんね」と言うので、慌てて「全然!痛くもないから大丈夫です!」と私。
血管が細いのも、いい血管が硬くなって使えなくなったのも、全部私のせいなのに・・・。

それに、「みんなでSさんどうしてるのかなーって言ってたのよ。そしたら予約の電話かかってきて、私たちが呼んだみたいって言ってたの」という話もしてくれて、じんわりと温かい気持ちになった。
この2ヶ月現れなかった私を心配して、皆で話題にしてくれていたのかと思うと、ああやっぱり私は運がいいとまた思う。いつも周りの人に恵まれる。

1時間15分くらいで点滴が終わり、お昼休みにいつものドトールへ。
こういう場所へ来るのも2~3ヶ月ぶりだ。コロナ前と比べるとお客さんは3分の1くらいだった。
さっさと食べて、先生にさっき借りた本を読む。小説みたいにしっかり読む必要がないので、流し読みしたらちょうど30分で1冊読み終わった。内容も把握した。
病気を治す力は自分の中にあるので、それを最大限発揮しましょうという感じ。病気を治すのは「足し算」ではなく「引き算」。いろんな薬やサプリなどを入れるのではなく、体の中の悪いものをとにかく「出す」。それが大事だと。
そのための方法がわかりやすく紹介されていたけれど、民間療法みたいなものが多かった。
悪くはないし、いくつか取り入れてみてもいい。
特に「体を温めること」は本を読む前から必要だと感じていたので、やってみようと思った。
また、食事についても、やはり「病人は肉と甘いものは避けるべき」と書かれていて、これまでも牛・豚肉と甘いものはできるだけ控えていたけれど、最近は緩んできていたので、これからの2ヶ月間は徹底して避けることにした。
ガン患者に良いと推奨されている玄米もずっと食べてきたが、夫が在宅ワークになってからは昼ご飯にうどんやパスタ、焼きそばなど麺類を食べることが増え、炊き込みご飯やガパオライスなどもおいしいからついやってしまっていた(玄米には合わないので白米になる)。パンも大好きだから、週に1、2回は食べてしまい・・・。
完全に緩んでいたので反省。

本を読んだり、新たな考え方に触れた時に妄信的になることは避けたいが、自分の直感で「良い」と感じたことは取り入れていきたい。それが逆にストレスになるようならやめたほうがいいと思うので、あまり神経質にならず、バランスをとりながら。

そんなことを思いながら、午後からは瞑想。
N先生と会うのも久しぶりで二人とも盛り上がってしまい、瞑想の時間よりおしゃべりの時間のほうが長いくらいだった。
N先生は髪を切られて、何か良い意味で普通の人っぽくなっていた。前はもっと神秘的な感じがしていたのだけど。
聞けば、先生もこの2ヶ月の間にいろんなことがあり、何か吹っ切れたというか、いい状態になったという。よかった。

教えてもらう瞑想も次の段階に入り、精神的なものから肉体的なものへ向かうことになった。
ソファに座り、足を電気毛布でくるんで温めながらの瞑想。
先生が話す言葉に従って、自分の中心から手足の爪先、体全体へと一つ一つの場所へ意識を飛ばしていく。
終盤になると、「あれ?暖房が入った?」と思うほど、「自分」ではなく「自分の周り」が暖かくなるのを感じた。
いつも先生とやる瞑想は眠くなるより覚醒していくのだが、なぜか心地よくて一瞬眠りそうになった。
終了して眼を開けると「暖かくないですか?」と先生。
もう体全体がポカポカだった。
私は自律神経が乱れているので、「暖かくなる」=「暑い・汗が出る」のだが、そういう体がカっとするような温まり方ではなかった。不思議なくらい心地よく、自分の中心と周りが温まる感じ。初めての感覚。

ほぼ毎日家で一人でも瞑想は続けてきたが、久しぶりに先生と一緒にやって、やっぱり教えてもらいながら一緒にやると、新しい感覚も芽生えるのがいいなと思った。
マインドフルネス瞑想は一人でもできるけど、こういう瞑想はやり方がわからないし、先生のパワーみたいなものも影響しているのか、帰るときはいつも来る前より元気になっている。心も体もスッキリだ。
最後はタロット占いを始めた話をして、「私も占って」と先生に言われたので、帰ってから占うことを約束した。

治療をお休みすることにして、久しぶりにセカンドドクターのクリニックへ行って新しいことも学び、今日から新しい生活がスタートするような気がした。
一抹の不安もなく、あるのは希望や期待のみ。
人生で一番、穏やかで優しい気持ちで、自分や周りの人を見ている。
楽しい2ヶ月になりそうだ。

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