月と歩いた。

月の満ち欠けのように、毎日ぼちぼちと歩く私。
明日はもう少し、先へ。

真夜中の美しい訪問者。

2021-05-18 | 生活
昨晩のことだ。
寝ようと思って部屋の灯りを消したら、横にいた夫が「見て!!」と慌てて叫んでいる。
何だろうかと言われたほうを見ると、畳の上で何やら光っているではないか。

それがあまりにも美しく、光の色が人工的ですらあったので、何なのか把握するのまでに数秒。

……ホタルだ。



いつ、どこから、どのタイミングで、どうやって入ってきたのかはわからないが、ホタルが部屋にいたのだ。
思わず夫と顔を見合わせる。

「ホタルの里」みたいな、ホタルが乱舞するような場所に暮らしている人にとっては、珍しいことではないかもしれないが、大阪に住んでいたらなかなか経験できることじゃない。

ただ、確かに私の住んでいる町にはホタルがいる。
川がきれいで、町で放流をしているのか、6月初旬にはかなりの数のホタルを目にすることができる。
子供の頃から初夏の風物詩として、友達を誘って見に行くこともあった。
今の家は山の中にあり、川どころかたまに溝の中でホタルを見つけることもあるくらいだ。

だから、市内の街中に住んでいたなら「なぜこんなところにホタルが?!」と驚愕ものだが、「どこかから紛れ込んできたんだね」くらいの驚きで済んだ。

しばらくこの突然の訪問者を眺める。
一定の間隔で、お尻の光が点いたり消えたり。

電気をつけて明るい中で見たら、ただの黒い小さな虫だ。
昔、手にホタルを乗せたことがあるので、小さいほうかなと思った。わずか1~2㎝くらい。

だけど、その光りはとても明るい。
先にも書いたように、LEDのイエロー系の光のように人工的にも思える。
それほど強くはっきりとした光だった。(写真参照)

夫と眺めながら、「すごいね」「どこから入ったんやろね」「きれいやね」と言い合う。
真夜中にこんな訪問者、ちょっとファンタジー。

ずっと見ていたかったが、こんなところに間違えて入って、ホタルも動揺しているはず。
いつまでもここにいてもらうわけにもいかず、ティッシュにそっと移動してもらって、窓から放した。
さよなら、ありがとう。ちゃんと仲間のところへ帰ってね。

きれいなものを見せてもらえて、ちょっと得した気分だった。
突然やってきた訪問者の置き土産は、ほっこりあたたかな気持ち。

「びっくりしたね」「おやすみ」と布団に入って目を閉じたけど、随分長い間、目の奥からあの美しい光が消えなかった。

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