月と歩いた。

月の満ち欠けのように、毎日ぼちぼちと歩く私。
明日はもう少し、先へ。

岡山旅行2日目 備中松山城

2021-12-05 | 
本格的に仕事が詰まってきて、ブログもnoteもなかなか更新できない日々が続いている。
先週の出張取材はかなり疲労した。
世の中には「しゃべりたい人」というのがいるのだ。そういう人にとったら私は良い聞き手で。
1日目、名古屋でのメーカー取材は1時間くらいで終わるかなと思っていたら、社長は3時間しゃべり続けた。
そこから小田原へ移動し、翌朝行った酒蔵取材は、なんと5時間!!
7時半に蔵に入って、「ありがとうございました」と頭を下げたのは12時半前だった。
さらにそこから「お昼食べに行きましょう」と言われて、お店で1時間。
2日間で合計9時間も人の話を集中して聞いていたので、終わった時には頭がくらくらしていた。
もちろん内容は面白かったのだが、単純に疲労する。その後移動して家に辿り着いた時にはもうぐったりしていた。

そんな感じで岡山旅行の続きを書けずにいたのだが、とりあえず記憶が薄れる前に記録しておきたい。

岡山で1泊目に泊った倉敷のホテルは「ホテル グラン・ココエ倉敷」というところで、今年オープンしたばかり。
きれいで、立地も良く、大浴場まであって、とても過ごしやすかった。(おすすめ!)
公式サイトはこちら

食事はついていなかったので、朝はどこかのカフェにモーニングを食べに行こうということになった。
調べてみるといろいろあったので、「ここ」というところを決めて行ってみると、なんと臨時休業。
私は「臨時休業のかおり」という異名をもつほど(誰にも呼ばれたことはないが)、とにかく人生で「臨時休業」にぶち当たる確率が高い。定休日は絶対調べていくのに、いつも臨時休業なのだ。
その後、美観地区でうろうろと探したが、どこも混み合っている。すっかりモーニング難民となってさまよっていたが、夫が少し離れた場所にカフェを見つけてくれて行ってみると、そこは大丈夫だった。
静かにゆっくりとコーヒーを入れてくれるマスターが一人で切り盛りしている小さなカフェ。喫茶店と言ったほうがいいか。
トースト・サラダ・茹で玉子・コーヒーという、ベーシックなモーニングを食べた。あまり「モーニングを食べる」という経験がないので新鮮だった。


この日は今回の旅行の第一目的である備中松山城へ行く。
これで現存天守12城を私はコンプリートだ。

備中松山城は12城の中で最も高い位置にある城で、標高430メートル。
よって、行くのがかなり不便だ。まずは車で専用駐車場まで行き、そこからシャトルバスに乗り換えて山を登っていく。シャトルバスに乗り換えないといけないのは、車ですれ違えないような細い山道だからだ。
バスを降りたらさらに険しい山道を徒歩15~20分でようやくたどり着く。


今まで行った城の中で一番不便だし、一番大変だった。
それでもバスを待つ人の列はずっと絶えることがなく、訪れる人は多い。

山道をはぁはぁ言いながら登る。足軽は城攻めするのも大変だったろうなと思いながら。
途中で石垣が見えてきた。


さらに登ると、天守が見えた!
かわいい!


宇和島城にも匹敵するような小さくてかわいいお城。




城を守る番人(猫)もいる。有名らしい。みんなに可愛がられていた。


天守に上ってみたが、中は外から見る以上にこじんまりしている。


なんと囲炉裏があった。珍しい。
食事や暖をとるためのものだったらしい。籠城してたんだなぁと思う。


姫路城を見た時に、動かない戦闘機というか、“攻める城”と感じたのに対して、こちらは“守りの城”と感じた。
こんな山奥の小さな城にこもるのは嫌だなぁ……
で、結局攻め落とされるんだから、辛いよな。

来た山道を下り、またバスに乗り、車に乗って昼ご飯を食べに行った。
近くでおいしそうな店を探し、「ここ行ってみよう」と提案して着いたら……、そう、まさかの臨時休業!
「ごめん、私のせいやわ」と夫に謝る私。
いや、私は悪くないんだけど。でも、なんとなく自分が臨時休業を引き寄せているような気がするのだ。
仕方なく、夫が提案してくれたお好み焼き屋へ行った。岡山なので広島風だった。

その後は「鬼ノ城」へ。
「日本100名城」のひとつ。大和朝廷によって国の防衛のために築かれたとされる古代山城。
鬼ノ城は歴史書には一切記されておらず、その歴史は解明されずに謎のままだとか。

跡をもとに復元された門


城壁が残る


とんでもない山の上に築かれている。すごくいい眺め!




ここでどんな人たちがどんな暮らしをしていたんだろう。
そしてなぜ滅んだのだろう。なぜ一切記述がないんだろう。
こんな古代山城があるなんてまったく知らなかったが、行って良かった。すごく興味がある。
古代ロマンだなぁ。

さて、すっかり歩き疲れて、岡山のホテルへ。
夜は岡山市内で飲もうと決めて、大衆居酒屋なのにミシュランに載ったという「鳥好」へ。
店に入って驚いた。
そこは「コロナ前」と同じ世界だったからだ。

大阪や京都だとカフェやファストフード店ですらアクリル板が立てられていて席数も減らされているというのに、ここは大きな長いテーブルにぎゅうぎゅうに人が入っていて、向かいに座っているのは見知らぬ人だというのに、その間にアクリル板がない。ごみごみして賑やかで、たくさんの人が密になっていた。

なんだか別世界に来たようで戸惑いながらも夫と隣同士で座る。
生ビールや日本酒を飲みながら、さわらの炙りや牡蠣フライ、焼き鳥などを食べる。
どれも大衆居酒屋の味だけど、美味しかった。
何よりこういう雰囲気があまりに久しぶりで興奮した。

店を出て、夫と「もう二度とコロナ前のあんな飲み屋の雰囲気は味わえないんじゃないかと思ってたら、普通に岡山にはあったなぁ」と言い合う。
その日、岡山どころか中部地方全体で感染者数は6名とかだった。
そうか、やっぱり大阪とは違うんだ。
逆に、大阪にもあの世界がまた戻って来ると、普通に思えた日だった。

本当はもう1軒行きたかったが、私が疲労と腹痛(おそらく気圧の変化によるいつもの腹痛)で動けなくなったので、コンビニで買い物をしてそのままホテルに戻った。
一体いつからこんな無理の利かない体になってしまったんだろう。
私が嘆くと夫が言う。
「え?めっちゃ元気やん。病気の人はそんなに朝から動いて山登ってご飯食べてお酒飲めへんで」

朝6時から活動して、14000歩も歩いて、朝昼晩とごはんをモリモリ食べて、お酒飲んで、夜7時にぐったり。
あ、普通か。別に病人じゃないか。
昔が元気過ぎたので、ちょっとでも「しんどい」と思うと自分を病人だと思って嘆いてしまう。
そうか、普通か。これで普通に元気な人のか。
ホッと安心したら、急に眠くなって、ひと眠りしたらまた元気になって、気づいたらベッドの上で缶ビールを開けていた。

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