月と歩いた。

月の満ち欠けのように、毎日ぼちぼちと歩く私。
明日はもう少し、先へ。

経営者の話を聞くのは面白い

2018-08-13 | 仕事
8月に入ってから少し取材が続いた。
組込系システム開発会社、経理のアウトソーシングの会社、食品専門商社、Web系システム開発会社、4社の社長にインタビュー。
これまでのライター人生で、何十人(もっとか?)も“社長”という肩書きを持つ人を取材してきたが、“社長”というのは偉いはずなのに、あまり偉そうな人がいない。もちろん、私が外部の人間だからということや、自分の言動を書かれるということもあって謙虚にふるまっているのかもしれないが、それにしても穏やかで優しい人が多いなと思う。
基本的に業績が良い企業しか取材しないということもあるかもしれない。
いい社長だから、いい人が集まって、いい会社になって、経営状態もいい。そんなプラスのサイクルがあるのかも。
(逆に言えば、私が出会うことのない社長の中には偉そうな人もいるのかな)

久しぶりに連続で企業取材をして、経営戦略や創業の経緯、人材育成などの話を聞いて、やっぱり自分はこれからもずっと「日本酒」と「企業」を大きな2本柱として書いていきたいと強く思った。
基本的に商業的な媒体(情報誌や広告コピーなど)はほとんど書いたことがなく、じゃあ一体何を書いてきたのかと問われれば、ほぼずっといろんな業界、いろんな業種の企業のことを書いてきた。
社長に取材をして、どうやって売上を伸ばすのか、どこに出店するのか、どうやって人を育てるのか、そんな経営戦略ばかり。
日本酒の雑誌にしても同じ。対象が「酒蔵」というだけで、結局は社長に話をきいて「酒造り」という戦略をまとめる。
自分はそれが好きなんだなぁと思う。
経営者の話を聞くのは面白いし、わくわくする。知らない世界、知らない仕事の話を聞くと、世の中を見る目が少しだけ変わる。

そんな大げさな話ではない。例えばこういうことだ。
先日取材した食品の商社は主に水産物を扱っている。世界の産地から買い付けた水産物を国内のネットワークを使って全国各地の卸会社や飲食店、スーパーなどに販売する。
特にエビの取扱いには自信があり、その会社が仕入れたエビを飲食店で食べたりスーパーで購入したことのない人を捜すほうが難しいくらいらしい。知らず知らずのうちに誰もがその会社のエビにお世話になっていたのだ。
取材の翌日、夫とスシローで寿司を食べた。
エビといっても、いろんなエビがある。改めて見ると種類が多いことに気づく。これまでエビのことなんてほとんど気にもとめなかったのに、きっとこのエビもあの会社が仕入れたものが入っているんだろうなと思った。
「エビ課」に配属されて働いている営業マンの人にも話を聞いたので、もしかしたらあの人が買い付けたものかも・・・とも思った。
普段何気なく食べているものですら、それに関わる“企業”や“人”の顔が見えてくると、なんだか尊いもののように思えてくる。
ああいう会社があって、ああいう人がいて、それで美味しいエビが食べられるんだ。
そんな当たり前のことに気づかされる。世の中を見る目がすこーしだけ変わる。それが面白い。なんだかちょっと人生が豊かになったような気分になる。

私はずっと“人”の生き様みたいなものを書きたいと思い、人物取材をしたいと思ってきたけれど、やっぱりそうじゃない。自分の力や経験、知識を本当に活かせるのは、もっと違うところだ。
小売サービス業と流通業のことを長く勉強してきて、それが「チェーンストアエイジ」という雑誌を書かせてもらえた時には役立って嬉しかったことも思い出した。(間に入っていた人が取引をやめてしまったらしく、私まで依頼が来なくなった)
これからあと何年書いていけるのかはわからないけれど、「日本酒」と「企業(経営)」を自身の得意分野としてきちんと営業していこうと思う。そろそろ過去の自分が積み上げてきたものを、新しい場所で発揮したい。

私の気持ちが本気で動けば、また回りのいろんなことも動き出す。いつもそうだったから、またその時が来るかもしれない。
病気から2年経過したことだし、もう休憩は十分かな。
そろそろ動き始めよう。

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