月と歩いた。

月の満ち欠けのように、毎日ぼちぼちと歩く私。
明日はもう少し、先へ。

ぶつける。

2015-11-03 | 仕事
11月はとんでもない仕事量を抱えていて、考えるだけで血圧が上がってくる。
昨日も1日中パソコンに向かっていたが、抱えている案件が多いとメールでのやりとりや細かい修正作業なども数が多く、集中して原稿を書くことができない。
それでも少しずつでも進めたが、まだ取材済みの原稿が6本。
それなのに、今月はまだこれから行く取材が12本!!
これらすべてを今月中に書き上げなければならない。
取材だけでなく、資料や議事録を分析して書くものやメルマガなどもあわせれば、本当にとんでもない量になる。

明日からスタートする70ページの冊子の校了が11月末って・・・!
デザイナーさんと電話で打ち合わせながら、もう笑うしかなく、二人で「トホホ」という感じだった。
しかし、「できるのかな」という不安はなく、「やってやるがな!」という、どちらかといえばヤケっぱちな気分でいる。
この状況を楽しんでいるのだな、私は。たぶん。

先週の木・金曜日は、酒蔵の取材で岩手まで行って来た。
ここの蔵元さんはすごく熱い人で、話も面白く、身振り手振り、ものまね付きで、まるで一人芝居か漫談でも見ているようだった。
ぶっつづけで3時間近くしゃべっても、勢いが止まらないのがすごい。
エネルギッシュだ。生命力がこの人からあふれてくるのを感じて、こちらも何度も胸が熱くなった。

取材が終わると、早く書きたくて仕方がなかった。
次号から私は「新しい書き方」をしたいと考えている。編集者にも伝えた。
日本酒の雑誌も気づけば次号で8号目。
20蔵以上を取材して書かせてもらって、確かに最初の号とは比べ物にならないほど知識もついたし余裕もできた。
毎回テーマを考えて、それに沿った書き方もできるようになっている。
クライアントからの評判もいい。

だけど、なんだろうなぁ・・・
自分で読んでいて、少し退屈し始めたのだ。マンネリというか。
だから次の挑戦は、全く違う文体で書くこと。まるで別の人が書いたみたいな作品にしたい。
どちらかと言えば、次号で挑戦しようとしているもののほうが、本来の私の書き方に近いかもしれない。

テーマは「ぶつける」。
私の感じた想いを、伝えたいことを、取材相手の心を、紙とケンカするくらいの気持ちでぶつける。
左脳より右脳で書く感じ。
ぐいぐいと読み手を引っ張っていくような、そんな文章を書きたいと思う。

「文章の勢いにつられて、一気に読んでしまった・・・」
そんな感想をもたれるようなものにしたい。
「読みやすく、わかりやすく、飾らない」という私のモットーはそのままに、言葉選びを左脳でやらず、右脳で感じたままぶつけたいのだ。
荒削りだけど面白い。
そんなものが書けたらいいなと思う。
感じたままに。心のままに。

そう思っていたときだったので、本当に今回の取材のあの蔵元さんでよかった。
あの生命力と熱さが、紙の上からも伝わるような、そんなものを書きたい。

ああ、でも、この熱が冷める前に、すぐにでも書きたかったけれど、他の締め切り仕事が山積みで、なかなか手をつけられないのが残念だ。
今日もあと12時間、ぶっ続けで書く!(書かないと間に合わない!)