鴨着く島

大隅の風土と歴史を紹介していきます

GO TO クラスタ―

2020-07-24 16:18:58 | 日本の時事風景
ついに離島でクラスタ―感染が発生した。

人口5000人の与論島では22日に20代の女性の発症が判明し、濃厚接触者と思われる10人に感染が広がった。それまでゼロだった島で、いきなり二桁の感染者は大ごとだ。

案の定、他県からの5名と会食などをしていたそうだから、その線で感染したのだろう。5名は自分たちの住所に帰ってから検査を受けるそうだが、まだ今の時点で陽性かどうかは判明していない。

離島での発症が怖いのは、受け入れ先がないことだ。幸いに20代の女性の勤務先が大手の徳洲会病院だったので、治療は可能だ。しかし11名となるとさすがに同病院ですべてを受け容れるわけにはいかないらしく、7名は鹿児島市内へ緊急搬送された。

重症者は今のところいないようだが、同病院はしばらく休診することになるだろう。

鹿児島の離島ではかなり早い段階の3月末から4月初めにかけて、奄美大島で2名、沖永良部島で1名の感染が判明したが、いずれも他府県からの入込み者であった。

今度の与論クラスタ―も、おそらく他県からの5名の誰かがウイルスを持ち込んだものと思われる。「無症状感染者」が無症状であるがゆえに出歩き、発症する前に人にうつす――というのがこの新型コロナウイルスの特徴で、とにかく感染してからの潜伏期間が長い(もし疑うとすれば、遺伝子操作でウイルスの発現をわざと遅くして感染を増大するようにしたのか?)。

同じウイルス性でもインフルエンザの場合は、感染したらせいぜい2~3日のうちに高熱と悪寒で寝込むようになるから、他人への感染は限られる。(と言っても、わずか1日だが「ちょっと風邪を引いたかな」くらいな無症状に近い短い期間はあり、その時には人にうつしている。)

「GO TO トラベル」は東京都民への割引サービスは適用外となったが、サービスを受けずに旅行に出かけることを禁じられているわけではなく、「頭隠して尻隠さず」のそしりは免れまい。

海外旅行やクルーズ船や長旅はできないにしても、近隣県の温泉など行くところはいくらでもある。都民として堂々と行くことははばかられるだろうが、神奈川や埼玉の友人たちと行くのであればスルー出来る。

帰りの精算の時に都民だけはサービスなしの通常料金という不公平感はあろうが、行けないよりかはましだろう。


それにしても菅官房長官が北海道で語った「東京問題」が、面倒を起こしている。キャンペーンに待ったをかけた小池都知事への報復がキャンペーンへの「東京除外」だが、同じ東京に張り付いているのが官公庁であり政府でもあるのだ。

真の「東京問題」はだから「東京の過密問題」なのだ。このことをはっきりと示して見せたのが、まさに今度の新型コロナウイルスパンデミックだろう。

過密問題は同時に「過疎問題」でもある。東京圏ばかりに人口が集中している現状もだが、その人口集中の東京における出生率が最も低いというのも大問題だ。

ここらで本気になって東京一極集中を解消していかなくてはならないと思う。

以前にも書いたが、国民一人当たり10万円給付に要する費用は100兆円。この5分の1の20兆円もあれば大方の官公庁は地方に移転できる。私はまず第一歩として皇居と宮内庁をかっての「平安京」京都に移転(還都)するのがシンボル的に最も良い方策だと思っている。

昨日の東京での感染者数は366名、全国では990名と4月の第一波期間の最高値を超えた。4月に最高値が出た時は「緊急事態宣言」が出されていた時期であった。

今回は緊急事態宣言発出は沙汰やみになり、「GO TO トラベル」が出発進行となった。2週間後が非常に危ぶまれる。結果として「GO TO クラスタ―」や「GO TO パンデミック」なんてことにならなければいいが・・・。

(追記)7月24日、与論島の感染者がさらに11人確認された。濃厚接触者へのPCR検査の結果である。5000人で感染者累計23名は、人口160万の鹿児島県に置き換えると5300名となる。東京都の半分だ。たとえ東京からではなくても離島への旅行は控えないと危ない。