鴨着く島

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鹿屋で初の感染者

2020-07-16 13:32:22 | 日本の時事風景
鹿児島で初の感染者が出たのは3月26日で、全国の中でもかなり遅い方だった。しかもその後、4月半ばまでに10名ほどが出てからは6月末まで一人の感染者もなく、全国的に見て「非感染優良県」であった。

ところが7月に入ると途端に増え始め、一時は一日当たり30名を超えるような事態になった。昨日までの発生数は158人で、うちショーパブ一軒からのクラスタ―感染が114名と大量で、今度はこのことで全国的にも稀な事案となってしまった。

そのルートかどうかは不明ながら、一昨日、居住地の鹿屋市で初の感染者が出た。その日の夜、全戸に設置されている非常用通信機器を通して市長自らの声で「20代の男性1名の陽性が判明した。・・・決して風評など生まないようにお願いしたい。」などと、放送があった。

今朝の新聞ではその男性の勤務先までが報じられており、記事によると某洋服店で、店のホームページで発表したという。強い倦怠感を感じながら仕事に就いていた日もあったというから、二次感染があるかもしれない。


一方で、昼のワイドショーなどでは、東京都の16日の感染者数が280名以上との話題が出ていたが、この数字が感染の第一次ピーク期間(3月下旬~4月中旬)の最高数を超えているのには驚く。

小池都知事の会見ではPCR検査数が一日当たり4000余りと相当多くなり、中でもいわゆる「接待を伴う飲食店」の従業員たちの積極的な検査が増加しているため陽性者が多くなったのだろう、という見通しを述べていた。

しかし、そういう明確なルート以外からの感染割合(不明を含む)がやはり半分以上はあるので、すでに市中感染が相当に蔓延していると見ていいのではないか。

そうなると今度の「GO TOキャンペーン」には黄色信号が灯ったことになろう。

何しろ都会から温泉やおいしい食べ物を求めて日本各地に散らばって観光に行く数が圧倒的に多いわけだから、観光地の方も手放しで「welcome!」というわけにはいかない。人は来て欲しいが、ウイルスまで持って来られては困る。

といってオンライン観光が可能かというと、これは不可能だろう。臨場感のあるヴァーチャル技術を駆使しても、観光する側はなんとなく行った気がするだろうが、迎える側は何の見返りもない。

何月何日にウイルスが根絶すると分かっていればその日まで待つことはできるが、今の東京都及び全国の感染状況から考えると、根絶はほぼ不可能だ。したがっていつまで待ってもキャンペーンは始まらないことになる。

この際、7月22日からという時期を遅らせることよりも、大都市からの他県への移動(観光)は自粛の対象とし、その逆の動きも同様とする――ことを柱にし、縮小して推進するほかないだろう。

また外国人観光(インバウンド)についてはどの観光地も一様に大打撃を受けており、また国内以上に感染のひどい国ばかりなのでその後も相当な期間回復は望めないはずだから、政府はGO TO キャンペーンを縮小し、余った予算を各観光地に直接給付したらどうだろうか。