雨
青葉雨しとどに降りて雨匂う 正子
ガラス戸を開けて青紫蘇摘み取りぬ 正子
青紫蘇の下葉は暗し暮れてなお 正子
●小雨の中を歩く。次第に雨が強くなったが、知らない急な坂道を下ると国道の綱島街道に出た。。大きな傘をさしていたのでほとんど濡れなかった。鳩と雀が変わらず鳴いている。鳩のくぐもった声はテレビのアンテナから、雀の声はは電線からこぼれていた。
●その日の気分に合わせて音楽を聞くのがほとんどの日である。しばらく、読むほうがよくて、音楽を聞かないでもよかった日が続いた。また聞き始めるとき、何から聞こうかと迷った。バッハ、モーツアルト、ベートーベン、シューベルトに決まっているが、どれかにするか迷う。いま自分はどの気分なのだろうと思ってみたりしたが、もやっとしてどの気分かよくわからない。迷いつつモーツアルトにした。聞くと気分がほぐされる。聞きながらモーツアルトは多様なのだとよくよく実感した。多様性があいまいな気分を救ってくれる。