俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

4月26日(木)

2012-04-26 05:39:11 | Weblog
★明け初めし空の丸さよ柿若葉  正子
柿の若葉は小さく丸く萌え始め、だんだん茂と柔らかく萌黄色となって目を引き、明け初める空の初夏の景は素晴らしいですね。その対比が素敵な句だと思います。 (小口泰與)

○今日の俳句
さえずりや忽と眼間昼の火事/小口泰與
テーマは「さえずり」。気持ちよくさえずりを聞いていると、忽然と火事が見えた。現実であるが、さえずりの中にあってまぼろしのような火事である。(高橋正子)

○鈴蘭
★鈴蘭を掘りて鍬さげ汽車に乗る/高浜虚子

鈴蘭は、戦後の少女にとって、夢のような花であった。鈴蘭のように清らかに可憐な少女が実際に好もしいと思われた。しかし、私も友達も小学生のころは、鈴蘭の花を実際見たことはなかった。そして長じて実際に見たとき、花よりも葉の多さに驚いた。鈴蘭が咲くと、JAL便で日赤に鈴蘭が届いたということもニュースで報道された。この花を私の母親が好きで(好きであったことにも驚いたが)、わざわざ玉葱やじゃが芋を送ってくる荷物にドイツ鈴蘭を送ってきたことがあった。身近にあると、初夏のさわやかさがあって、和む花である。

★鈴蘭を束ねて翠の葉がきしむ/高橋正子
★鈴蘭の小さき花を振ってみむ/〃

◇生活する花たち「牡丹・さつき・藤」(横浜日吉本町)
コメント (1)
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