俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

4月19日(木)

2012-04-19 04:57:42 | Weblog
★濃きお茶に春の灯しを入れて飲む  正子
春の灯の明るさを感じながらお茶をいただく、しっとりと柔らかな夜のひとときです。濃きお茶なればこそ、より艶やかな春の灯の美しさを感じさせてくれます。(藤田洋子)

○今日の俳句
春光につつまれし身のときめきよ/藤田洋子
この句を読むと、もの静かで明るい若い母親の姿が浮かぶ。うす紫の丸いヨークのセーターが、春光の中で、肩までの黒髪に映えていた。(高橋正子)

○花蘇芳(はなすおう)
★街中の水に空ある花すおう/和知喜八
★花すおういつも縁側より見えて/高橋正子

中国原産で、野生のものは、落葉小喬木だが、栽培種は灌木状をなしている。葉は丸形で基脚は心臓形。先端がやや尖って光沢がある。四月中旬葉に先立ち枝上の諸所に、五弁花、紅紫色の小蝶形花がびっしり咲く。和名紫荊はその花の紅紫色が、あたかもスオウ染め汁の色に似ているからである。
花蘇芳の紅紫色は古典的。よい色である。ハート型の葉も魅力。空の青色に似合う。生家には土塀のそばに一本の蘇芳が咲いた。
子どもの目にはその花は少し暗く思えたが、つやつやとした絹地のように映った。

◇生活する花たち「八重山吹・石楠花・梨の花」(横浜市緑区北八朔)

コメント (1)
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