俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

4月24日(火)

2012-04-24 05:41:33 | Weblog
 小石川植物園
★やわらかに足裏に踏んで桜蘂  正子
桜が散ってしまったころからお天気は安定しはっきりと暖かい感覚になります。一年で最も過ごしやすい時期になり、そのころの伸びやかで心浮き立つような感覚が御句から伝わってきます。。(多田有花)

○今日の俳句
時はいまゆっくり流れ蝶の昼/多田有花
蝶の飛ぶ真昼。蝶の飛ぶ辺りは蝶の空間と時間となって、ゆっくりと時が過ぎている。春昼の気だるく長閑な時間が詠まれている。(高橋正子)

○虎杖(いたどり)
★紅斑ある虎杖思ふのみに酸し/山口誓子
★いたどりを折りとる時の音たしか/高橋正子
★いたどりの新芽の紅の尖りたる/ 〃
★川水を透かしいたどり群生す/ 〃

いたどりは、タデ科の多年生植物。別名は、スカンポ、イタンポ、ドングイ。ただし、茎を折るとポコッと音が鳴り、食べると酸味があることから、スイバをスカンポと呼ぶ地方もある。茎は中空で多数の節があり、その構造はやや竹に似ている。三角状の葉を交互につけ、特に若いうちは葉に赤い斑紋が出る。雌雄異株で、雄花はおしべが花弁の間から飛び出すように長く発達しており、雌花はめしべよりも花弁の方が大きい。夏には、白か赤みを帯びた小さな花を多数着けた花序を出す。
秋に熟す種子には3枚の翼があり、風によって散布される。そして春に芽吹いた種子は地下茎を伸ばし、群落を形成して一気に生長する。路傍や荒地までさまざまな場所に生育でき、肥沃な土地では高さ2メートルほどまでになる。やや湿ったところを好む。北海道西部以南の日本、台湾、朝鮮半島、中国に分布する東アジア原産種。昔の子供の遊びとして、イタドリ水車がある。切り取った茎の両端に切り込みを入れてしばらく水に晒しておくと外側に反る。中空の茎に木の枝や割り箸を入れて流水に置くと、水車のようにくるくる回る。

いたどりは、子どものころのおやつ代わりだったが、自分で採ったのを食べた記憶はない。田舎で育ったとはいえ、家の近くにいたどりが生えている場所はなく、山や沢などしかるべきところに行かなければない。あけび同様、いつも友達はどこで見つけるのだろうかと、半分、くやしい思いでいた。分けてもらったり、父親が山へいったときなど採って帰っていたのだろう、斑点のある茎をぽきっと折って、塩をつけて食べたが、酸っぱい。節を真ん中にして短く切って水に放しておくと、切り目を入れなくても、蛸の脚のように反るので、それを水車にして遊んだ。話は別だが、水車で遊んだのは、柿の花も水車にしてよく遊んだ。水車は小川の流れなどに持って行って遊ぶのだが、けっこうおもしろかった。
大人になっては、日本画に描かれたものをよくみた。新芽の紅や、斑点の面白さがよいのであろう。先日横浜市の鶴見川の土手に群生しているのを見た。2本折って持ち帰って、水に挿してある。「少し暑くなりかけた季節」が家内にある。

◇生活する花たち「豌豆の花・いたどり・梨の花」(横浜市緑区北八朔)
コメント (1)
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