俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

3月19日(月)

2012-03-19 14:56:26 | Weblog
★花すもも散るや夜道の片側に   正子
すももの花は梅や桜ほど目立たず、どちらかと言えば、ひっそりと薄いピンクの花びらで控えめに咲く花。その花びらが片側の夜道に散り、うっすらピンクの明かりを成している・・。花すももの大変控笑めながら風情のある光景が素晴らしい。 (桑本栄太郎)

○今日の俳句
まんさくの花は青空絡めけり/桑本栄太郎
まんさくの花は、古色めいた黄色の細い花びらが、からまったように咲く。青空に咲きだせば、青空を絡めて咲いているように見える。(高橋正子)

○椿

[東京関口・椿山荘庭園の椿]

★ゆらぎ見ゆ百の椿が三百に/高浜虚子

★赤い椿白い椿と落ちにけり/河東碧梧桐
子規が取り上げ、印象明瞭を好む句の一例としたので、碧梧桐の代表句となった。明治29年の作。碧梧桐24歳であった。(高橋信之)

★日当たって山の椿の花であり/高橋正子
山を歩いていますと、少し前からヤブツバキが咲き始めているのを見るようになりました。まだ少し寒さが残るころから咲き出し、このまま春が終わるまで咲いては散り、咲いては散りでいて咲き続けて行きます。そこに日が当たっている、日差しの明るさが思われます。(多田有花)

○家族食事会
昨日、椿山荘の庭園内にあるそば処「無茶庵」で家族食事会。息子夫婦と姪を呼んで食事をした。季節の彩りさくら蕎麦御膳を注文したが、どうかと思った「さくら蕎麦」もまあまあ。蕎麦好きの息子にはもう一枚普通のせいろ蕎麦を注文。北海道産100%そば粉を使用した蕎麦。花冠フェスでもここで皆さんと天せいろの昼食をとった。食事の後は、椿山荘カフェ「フォレスタ」の自家製ケーキとお茶をいただく。自家製ケーキに女子は大喜び。

食事の前に椿山荘の庭園を信之先生、姪と一巡したが、何本かある河津桜も終わりかけ、あの種この種の椿の花が庭園の方々に咲いている。椿山荘の椿は初めて。昨日の雨が上がったばかりの庭園の空は曇り。カメラのフラッシュを禁止にし、明るさを調節して椿を撮る。椿の赤い色をきれいに撮るのは素人には難しい感じがする。やはり庭園の椿で、花の姿や葉の茂り具合がほど良く品がある。椿山荘にはもともと椿が自生していたようだが百種近い椿植栽されている。白い椿の「初嵐」もまだ咲いて、砥部のわが家にあったので、その花姿を懐かしく見た。雨が降ると、花粉で白い花がうっすらと汚れるが、汚れ具合が記憶の通り。

椿山荘は、結婚式場としても有名だが、庭園には、写真を撮る花嫁の姿が見られる。鐘が鳴るので、何時の鐘と思うとそれは結婚式の終わりを告げる鐘なのだそうだ。そんな雰囲気の庭園には、椿のほかに河津桜、馬酔木、さんしゅゆ、紅梅、土佐みづきなどが咲いていた。お彼岸ごろの花たちである。

椿山荘を出て、隣の関口芭蕉庵に寄る。小さな戸を開けて入るや、つくばいに椿が一花浮かせてあった。庭は雨のあと足元が危ないが、瓢箪池の周りには蕗の花がたくさん咲いている。娘と姪に芭蕉堂、芭蕉塚も見せる。そのあと、胸つき坂を上り、細川家の永青文庫と野間記念館の建物だけを見せた野間記念館は目白通り。少し先には佐藤春夫の旧居がある。そこより引き返し、雨のぱらつく中を早稲田正門まで歩き、バスで高田馬場へ。目黒経由で帰宅。行きは江戸川橋で降り、江戸川公園と神田川に添いの桜並木を歩いた。桜が一本とさんしゅゆが咲いていた。音羽町商店会のぼんぼり提灯が並木に取り付けられていた。

http://www.chinzanso.com/

◇生活する花たち「椿①・椿②・馬酔木の花」(東京関口・椿山荘庭園)
コメント (1)
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