俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

3月9日(金)

2012-03-09 05:21:44 | Weblog
★芽柳のるると色燃ゆ向こう岸   正子
気温が上がると共に、日毎に芽柳のさみどりが感じられるようになりました。いつもある川風に時折ゆれる様子が「るると色燃ゆ」との表現により、風情を大変感じます。(桑本栄太郎)

○今日の俳句
乙訓は風吹く丘ぞ菜花咲く/桑本栄太郎
乙訓は、長岡京があったところとして知られるが、丘に菜花が咲きやわらかな起伏を彩っている。風もやわらかに菜花をなでてゆく。「乙訓」がよく効いている。(高橋正子)

○木瓜の花
★木瓜の荷を解く紅白や植木市/水原秋桜子

中国原産の落葉低木。日本には江戸中期に渡来したといわれる。平安時代の説も。四月ごろ葉に先だって花を開く。深紅色のものを緋木瓜、白色のものを白木瓜、紅白雑食のものを更紗木瓜という。実は薬用。実が瓜に似ており、木になる瓜で「木瓜(もけ)」とよばれたものが「ぼけ」に転訛(てんか)したとも、「木瓜(ぼっくわ)」から「ぼけ」に転訛したも言われる。

木瓜は、棘がある。四国砥部の我が家の門扉近くには緋木瓜が植わっていた。その隣に蝋梅、その隣に白山吹、白椿と並んでアプローチを飾っていた。日当たりがよかったので、正月ころからぼつぼつ咲き始めた。子供のころは、紅白がまだらになった更紗木瓜と緋色より薄い紅色の木瓜をよく見た。更紗木瓜については、なんでこのような色具合にといつも思っていたが、そういう咲き方するもののようだ。今はどうか知らないが、春先の花展で、さんしゅゆ、万作の花と並んでよく使われた。秋にひょっこり花梨を少し小さくした、枝に似あわず大きな実がついていることがあった。花梨もバラ科なので樹高は違うが似たところがある。

★草木瓜の花を横切るとき冷やか/高橋正子

◇生活する花たち「梅・紅椿・白椿」(横浜日吉本町)
コメント (1)
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