俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

2月6日(月)

2012-02-06 09:41:35 | Weblog
★水掛けて春水かがやく仏なる  正子
春日が差すような明るい景が目にうかびます。お地蔵様に水を掛けられたのでしょうか。水には古来けがれを洗い流す力があると信じられていたとか。仏様に掛けられた水は、春の光をあびてかがやいていたことと拝察いたします。 (小川和子)

○紅梅
紅梅は白梅よりも晴れた空が似合う。50年以上前のある風景について鮮明に記憶がよみがえる。生家の隣に分家があって、そこに立派な紅梅が咲く。その季節は、分家(分家には慶応3年生まれ、漱石や子規と同い年の百歳のおばあさんが健在であった)の法事があり、遠い親戚の黒衣の人たちまでもがうららかな日差しに出入りする。そいうときの紅梅は、ひときわあでやかに見えた。まだ私は小学校低学年で非常に人見知りであっから、遠くから紅梅を眺めていた。故人の忌日は変わりなく、紅梅の咲く日も変わらない。
 紅梅は高くて黒衣まぶしかり/高橋正子

○今日の俳句
二月の陽を反射させつつバス来たる/小川和子
バスを待っていると、向こうから陽を反射させながらバスがやって来た。光は、早くも明るい二月の光。二月の光を連れて来たバスである。(高橋正子)

◇生活する花たち「黄水仙・梅・枝垂れ梅の花芽」(横浜日吉本町・金蔵寺)

コメント (1)
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