★梅の花遠きに咲きて白さ満つ 正子
遠くに見える白梅は満開だったのでしょう。遠くから見る方が白さが際立つのでしょう。香りも漂ってくるようです。(黒谷光子)
○今日の俳句
拝観を終え紅梅に集まれり/黒谷光子
集ってお参りに出かけた。拝観を済ませたものが順次、誰彼となく、紅梅のもとに集まった。うららかな日の紅梅の見事さ、和む人の心がおのずと知れる。(高橋正子)
○土筆
まま事の飯もおさいも土筆かな/星野立子
土筆はトクサ科の植物。たしかにトクサに似ている。茎に筋があり、袴と普通呼んでいる節のようなところも似ている。土手や野原で土筆が見つかると、どんなに風が冷たくても春が来たと実感する。子どものころ、土筆を見つけるのは容易ではなかった。野原に出ても、土筆が出そうな場所が見当もつかない。もっと大きい子や大人に連れて行ってもらって、土筆がでそうなところがわかるのだろうと思う。ところが、大人になってみると雑事に追われて、近所にも土筆が出そうなところがあるとわかっても、あっという間に杉菜になっている。残念至極である。数年前、町田市の里山にでかけたおり、山から田んぼに出たところに、土筆が刈り取れるほどたくさん生えていた。日当たりのよい至るところに見つけられる土筆であるが、里山がよく保存されている環境では、たくさんの土筆が野に見つけられた。
土筆を摘んで食べることだが、シーズンになると四国ではスーパーに土筆が売られていたが、買わなくても一握りも摘めばば、梅干しを入れて卵とじによくした。梅干しで土筆の茎の色が紅色になる。胞子の緑がかったねず色と卵の黄色で春らしい一品になる。また、凝った人は、妹などはよく作って送ってくれていたが、土筆の砂糖煮というものもある。お茶うけにする。
◇生活する花たち「椿・苺・桜花芽」(横浜日吉本町)