俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

2月27日(月)

2012-02-27 06:48:17 | Weblog
★梅林の影あわあわと草にあり   正子
梅の花の咲き様は、例えば桜と比べてあまり濃密ではなく、その地の影も幽かです。地も草が萌えたばかり。梅林のぼんやりとした姿と若草の真新しい色合いが溶け合って、見る目にやさしく映ります。(小西 宏)

○今日の俳句
蝋梅の向こう甍とひかる海/小西 宏
蝋梅越しに、甍と光る海が見える景色。海辺の景色だが、甍があることによって句が絵画的になった。(高橋正子)

○クロッカス
★サフランや雪解雫の音戸樋に/星野立子

アヤメ科クロッカス属の総称。耐寒性があり、早春開花するのは花サフランの類で、松葉の形をした細長い葉を3,4枚出した間から花茎を抽出しその先に蕾がつく。匂いのいい華麗な六弁花は白、黄、紫、絞りなどで地上すれすれに咲く。日中は咲いて夕方しぼむ。アルプス原産。ただし、薬用サフランは秋に咲く。
早春、庭を歩くと、植えっぱなしにしていたクロッカスの松葉のような葉が地面に出て、踏みつけそうになる。実際はその前に勘が働いてか、気付いて踏んだことはないが、葉が出れば、花が待ち遠しい。地面すれすれに、日がさせばふっくらとした花が開く。春の日差しに輝くように咲く花は可憐とも華麗とも。原産地はアルプス。黄色い花と、白・紫は種類が違うそうだ。
晩秋に咲くサフランは、生家の日当たりのよい裏の段丘にあって、その赤い蕊を丹念に摘み取り、庭の縁台で新聞紙に広げて乾かした。祖母と私たちの仕事であったが、ほんのわずかしかとれなかった。これは、風邪薬となったようだ。サフランの花に入ったあの筋はなんだろうとずっと思っていたが、「アヤメ科」と知ってなるほどと思った。

★クロッカス塊り咲けば日が集う/高橋正子
★紫の白のクロッカスアイガーに/高橋正子

◇生活する花たち「山茱萸(さんしゅゆ)①・山茱萸②・満作」(横浜四季の森公園)
コメント (2)
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