俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

2月23日(木)

2012-02-23 04:32:48 | Weblog
★はつらつとまたかがやかにヒアシンス   正子
葉も茎も上に向かって元気はつらつとし、また花がたくさん咲いていい香りを放ちかがやかしく見えます。冬に耐え春になって生命力を発揮するヒアシンスに、愛おしさを覚えました。 (藤田裕子)

○今日の俳句
にぎわいを芽木に残して目白飛ぶ/藤田裕子
目白の季語は、その繁殖期である夏とする歳時記、また秋とする歳時記がある。実際に人里でよく見られるようになるのは秋の終わりごろから。椿のころはよく庭に来る。芽木のころも丁度このころ。チリチリという小さな声ににぎわう芽木は、早春のあかるさに満ちている。(高橋正子)

○豆の花
★そら豆の花の黒き目数知れず/中村草田男

豌豆の花、そら豆の花、スイートピーなどが豆の花に入る。そら豆や豌豆の収穫は初夏となるが、それには春先花が咲かねばならない。草田男のそら豆の句は、まさにそのとおり。うす紫の縞模様の花の中心部が黒い。形が目と見える。散歩していると、そら豆のいくつもの目と合う。
支柱を組んだ豌豆には、白と赤い花が咲き、別の畝にはそら豆の花が咲く畑の光景はなじみのものだ。おびただしい白い花は胡蝶のように軽やかだ。この花は来るべき初夏のために花を咲かす。さや豌豆も実豌豆も初夏の一番いい季節に実を結ぶ。白い飯に緑の水玉が散らばる豆ごはん。翡翠のように豌豆を煮たもの。ちらしずしに混ぜ込んださやえんどうの緑。こういった食の楽しみを提供するべく咲く豆の花は見ても鑑賞できる花だ。
スイートピーは、朝顔の垣を利用して秋に垣の根もとに種を播くと、春には弦が絡まって数知れないのスイートピーの花が西窓を覆った。

★スイートピー眠くなるほど束にする/高橋正子

◇生活する花たち「梅①・梅②・蝋梅」(横浜日吉本町)
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする