パラパラと、小糠雨が降っている。
「昼前くらいまでは、なんとか、やれそうな気がします」
沖に出てみると、思っていたよりも波が無く、風も強い感じではない。
しかし、潮の色が濁りが入っている。
「良い感じでは無いですね」
潮の色が良いところは、無いだろうか。
ポイントを探して、船を走らせながら潮色に目をやる。
暫く走ると「良い色していますね」と、言葉が出る潮が来た。
直ぐに、竿だしを勧める。
雨が降る中の釣りになったが、ベイト反応は出ている。
潮も、そんなに速い流れではない。
高瀬さんに、アタリが来た。
丸々と太っている鯖。
最近ヒットしてくる鯖は、丸々と太っているのが多い。
次の流しにはいると、高瀬さんに強いアタリが来た。
時折、ドラグ音が鳴る。
「ゆっくり、やってくださいね」
少しずつラインを巻き上げていく。
姿が見えてきた。
「真鯛ですね」
68センチの真鯛。
小雨の、悪コンディションの中、真鯛のヒットは元気が出る。
船首で竿を出している簑原さんにも、真鰺が連発。
40センチ近い良型も、混じってくる。
満潮の潮止まりを過ぎる。
「潮の流れが、変わってきました」
それまでは、下りながら沖に払い出していた潮が、真北に流れる上り潮に変わってきた。
それと同時に、沖に見えていた潮目が近づいてくる。
その潮目には、色々なゴミが溜まっていた様子。
木の枝や、葉っぱ、プラスチックゴミ等々が、次々に流れてくる。
海の様子も、変わり始めてきた。
風が北東に変わったのと同時に、ウネリが出始めた。
「余り長くは、出来ないかも知れません」
瀬周りに付いている、ベイト反応の中を流していく。
高瀬さんに、アタリが来た。
良型の真鰺がヒット。
次のアタリも直ぐに来た。
緩めに調整してあるドラグから、ラインが出る。
1.5キロクラスの、良型真鯛が上がってきた。
簑原さんにも、アタリが来た。
良型の真鰺、イサキがヒット。
沖に白波が出始めた。
北東の風が、強くなり始めた。
最後の流しに、高瀬さんにアタリ。
良型真鰺が、ヒットしてきた。
天気予報を確認すると、午後から雨雲が近づいてくるみたい。
「雨も強まるみたいよ」
仲間も、天候の変化を気にしている。
「引き上げましょうか」
天気が崩れる前に、納竿とした。