潮の色は、緑がかった色から、青みが入った色に変わっている。
「上り潮の色かな」
そう思いたくなる様な、潮色の変化だ。
その潮が、満潮を過ぎて2時間ほどした頃、急に動きがおかしくなった。
「潮が動いていない」
60グラムの軽い仕掛けが、真下に落ちていくようになった。
朝間詰めには、ポツポツとアタリが来た。
肥田木さんが、鯛ラバとジギングを駆使して、アタリを出していく。

じゃれつく様な前アタリが来た。
しっかりと針掛かりするまで、巻きを緩めずに誘い続ける。
「よっしゃ、乗った」
良い感じの、竿の曲がりだ。

上がってきたのは、良型の白甘鯛。
「高級魚ですね」
出足の白甘鯛に、気持ちがホッとする。
しかし、この頃から潮の変化の兆しが、出ていたのかも知れない。
鯛ラバにも、ジギングにもアタリは来るのだが、針外れが起きる。
時には、針が切られたりする。
針が切られる前に、タチウオがヒットしてきた。


タチウオが、針のチモトを噛み切っているのだろうか。
2度、3度と仕掛けが切られる。
どうにかして、切られる前に針掛けしたい。
そう思って、仕掛けを工夫していくが…。
「潮が動いていない…」
魚探に表示される、潮の速さが1.2ノット前後になっている。
色々と試してみるが、動きが悪くなった潮にアタリも遠のく。
浅場、深場と試してみても、アタリが出てこない。
朝間詰めのアタリは、何処に行ったのやら…。
ロックフィッシュに切り替えても、潮が動かなければアタリも来ない。
納竿ギリギリまで頑張って頂いたが、どうにもならなかった。